新規転移関連遺伝子及びアラキドン酸代謝酵素と発癌・浸潤・転移の解析
Project/Area Number |
12470333
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Urology
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
白浜 勉 鹿児島大, 医学部附属病院, 講師 (90136862)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
五十嵐 靖之 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (70091965)
西山 賢龍 鹿児島大学, 医学部・附属病院, 助手 (80264422)
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Project Period (FY) |
2000 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥8,000,000 (Direct Cost: ¥8,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
Fiscal Year 2000: ¥5,100,000 (Direct Cost: ¥5,100,000)
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Keywords | Transitionall cell carcinoma / Cyclooxygenase / Lipoxygenase / 5-LOX / Seminal vesicle |
Research Abstract |
1)膀胱移行癌におけるシクロオキシゲナーゼ2の発現と臨床的意義 イムノブロット法と免疫組織染色法を用いた検討から,シクロオキシゲナーゼ2は正常膀胱粘膜上皮には発現しないが,移行上皮癌では34%に,上皮内癌では93%に,異型細胞では48%に発現した。また,移行上皮癌における発現は浸潤度と相関したが,予後とは相関しなかった。以上のことからシクロオキシゲナーゼ2は上皮内癌を経て筋層浸潤癌への発癌過程に関与すると考えられた。 2)膀胱扁平上皮癌におけるシクロオキシゲナーゼ2の発現 イムノブロット法と免疫組織染色法によって膀胱扁平上皮癌におけるシクロオキシゲナーゼ2の発現を検討した。シクロオキシゲナーゼ2は膀胱扁平上皮癌では100%に,扁平上皮化生においても100%に発現した。しかも,その発現はほとんどすべての癌細胞の細胞質にび漫性であった。以上から,シクロオキシゲナーゼ2は膀胱扁平上皮癌の発癌に関与すると考えられている炎症性発癌機構に重大な役割を果たすものと考えられた。 3)腎盂・尿管移行上皮癌におけるシクロオキシゲナーゼ2の発現と臨床的意義 腎盂・尿管移行上皮癌では74%の症例がシクロオキシゲナーゼ2を発現しており,その発現は細胞の悪性度と相関したが,浸潤度や予後とは相関しなかった。シクロオキシゲナーゼ2は腎盂・尿管癌の発癌にも関与すると考えられた。 4)精嚢腺上皮におけるシクロオキシゲナーゼ2の発現 シクロオキシゲナーゼ2は恒常的には発現しておらず,刺激によって誘導される遺伝子である。しかし,精嚢腺では恒常的に発現していること,前立腺癌で術前に内分泌療法を受けた症例ではその発現が減弱することから男性ホルモンによって調節を受けていることを明らかにした。 5)アラキドン酸代謝酵素阻害剤による膀胱癌の増殖抑制 諸種のアラキドン酸代謝酵素阻害剤の中で5-LOX阻害剤はもっとも強い細胞増殖抑制効果を示した。しかも,その効果は5-LOを発現する細胞のみにみられた。そして,その細胞増殖抑制効果は5-LOX代謝産物である5-HETEやLeukotriene C4で完全に阻害された。以上のように,5-LOX阻害剤は酵素活性依存性に膀胱癌細胞の増殖を抑制することから,5-LOX阻害剤は膀胱癌に対する特異的な治療法であるかもしれない。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)