鉄-マグマ間の元素分配に対する軽元素の効果と地球型惑星の進化
Project/Area Number |
12640411
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
固体地球物理学
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
鈴木 敏弘 学習院大, 理学部, 助手 (40235974)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤荻 正樹 学習院大学, 理学部, 教授 (30126560)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 元素分配 / 超高圧 / ケイ酸塩メルト / 地球核 |
Research Abstract |
6-8マルチアンビル型超高圧発生装置を用いて5〜15GPaの圧力範囲で、Fe-Ni合金などの金属と、珪酸塩鉱物との混合物の融解実験を行い、回収した試料中の金属相と珪酸塩の組成を分析することにより、元素分配係数を求めた。組成分析には、電子線マイクロアナライザーを用いた。試料加熱用のヒーターにはRe箔を円筒状にして用い、その中にAl_2O_3またはMgOのカプセルを入れ、このカプセルの中に試料を入れて実験を行った。試料を高温にして珪酸塩と金属相が融解した状態に長時間保持すると、カプセルやReヒーターと試料が反応してしまうため、高温高圧状態での保持時間は、10分以下として実験を行った。 本年度に行った実験から観測された、融解した金属相と珪酸塩メルト間においてのFe-Ni交換反応を考えたNiの分配係数は、5GPaでおよそ30、15GPaでは約10であり、圧力の上昇と伴に分配係数が1に近づく傾向が観測された。この結果と金属相に水素が溶解した状態での分配係数とを比較すると、水素が金属鉄中へ溶解することによる分配係数への影響は、明確には認められなかった。また、La、Reについても分配挙動を観測したが、Laは珪酸塩メルト、Reは金属相にほとんどが濃集し、他の相には検出限界以下しか存在しなかったため、正確な分配係数は求めることが出来なかった。また、本年度に行った実験条件では、酸素は金属鉄中にはほとんど溶解しなかった。10GPaを越えるような高圧下においては、融解した金属鉄相に多量の酸素が溶解するという報告がある。しかし、これは単純なFe-FeO系の実験からの予測であり、本研究のように珪酸塩メルトが共存する状態では、FeO成分は基本的には珪酸塩メルト相に入るため、融解した金属鉄中には酸素はほとんど溶解しないと考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)