生理活性物質を用いた膵ベータ細胞グルコース不応性(脂肪毒性)の解除に関する研究
Project/Area Number |
12671082
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Endocrinology
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中島 弘 阪大, 医学(系)研究科(研究院), 助手 (50252680)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨田 晃司 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
森脇 信 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥3,800,000 (Direct Cost: ¥3,800,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2000: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | インスリン分泌 / 脂肪毒性 |
Research Abstract |
2型糖尿病は、近年明らかにされつつある遺伝因子などに加え、高しょ糖および高脂肪食に代表される食生活の変化や運動不足などの生活習慣の変化により発症する疾患である。このような環境変化に伴い膵ベータ細胞においてはインスリン分泌異常が認められ、糖尿病発症及び合併症の進展に重要であると考えられる。とりわけ、膵のグルコース応答性インスリン分泌低下は2型糖尿病での病態のひとつの特徴である。内臓脂肪より放出される遊離脂肪酸(FFA)がこの病態に関与し、脂肪毒性(lipotoxicity)として認識される。そこで研究代表者は脂肪毒性によるインスリン分泌低下がどうのようにして引き起こされるか、さらに、脂肪過剰状態のみでインスリン分泌低下が引き起こされるかを解明する目的で以下のこと施行した。 研究代表者は、膵ベータ細胞株MIN6を用い脂肪酸を培養液中に過剰に加え、脂肪毒性がMIN6細胞株においてのインスリン分泌にどのような影響を与えうるかを検討した。脂肪毒性により、グルコース依存性のインスリン分泌の不応答性、ピルビン酸酸化障害と中性脂肪・遊離脂肪酸の蓄積、ベータ酸化の亢進、内因性脂肪合成低下がNADPH減少とともに生じ、malate-pyruvate shuttle fluxの下減少を伴うことを明らかにした。以上の事実より、膵ベータ細胞における酸化還元状態の変化が脂肪酸投与によって生じ、そのことによりインスリン分泌能に影響を与えうることが示唆された。今後は、このような代謝的な偏りを生じた状態に対して生理活性物質を用いた治療的な手法を考案していく予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)