Project/Area Number |
12671736
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Pediatric surgery
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
岩田 啓之 名古屋大学, アイソトープ総合センター, 助手 (30273197)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石黒 士雄 日本赤十字愛知短期大学, 看護学科, 教授 (80142173)
浜口 道成 名古屋大学, 医学部, 教授 (90135351)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 神経芽腫 / Stat3 / TrkA / NGFR / 予後因子 / 腫瘍存続機構 |
Research Abstract |
神経芽腫は、小児科の主要な疾病である。我々は、分子生物学的手法を用いてこの腫瘍の病態に迫り、診断治療法への寄与を目的として研究を継続してきた。本申請では基礎的検討から臨床応用を視点において研究を推進する予定であったが、研究代表者の辞職に伴い、現在までの研究期間に興味深い知見が得られた計画B-2「NGFR高発現神経芽腫におけるNGFR不活性化機構に対するStat3の関与」について報告する。 NGF刺激で神経分化するPC12細胞株において転写因子Stat3の活性化が神経分化に関与することが既に知られている。そこで、神経芽腫培養株について検討した。その一つNB-1は、進行悪性神経芽腫から樹立された株にもかかわらず予後良好の指標である高NGFR(TrkA)を発現している。この相反する特質には多段階腫瘍存続機構が関与し、NGFRの分化シグナルが下流で阻止もしくは変換された結果、腫瘍として存続していると思われる。そこで、この株でのStat3の発現、活性を免疫沈降法と特異抗体を用いて検討したところ、Stat3が恒常的に活性化していることが判明し、神経栄養因子NGF刺激によるNGFRの活性化の有無にも関係しなかった。つまり、この株の状態は高NGFRを発現しつつ、NGFの存在する体内で腫瘍として存続する一部の進行神経芽腫の状態を示していると思われ、なぜ生体内で神経に分化しないかという神経芽腫の根元的問題に対する一つの可能性を示した。この仮説を証明するためには、この株におけるStat3の活性抑制実験が必要であり、Dominant Negative Stat3の遺伝子導入を試みたが成功していない。しかし、従来全く説明できなかった高NGFR発現神経芽腫腫瘍存続機構の解析モデルの一つを提供できたと思われる。 研究グループは他事情により残念なが本ら解散するが、願わくば、本分野に関心のあるグループにより神経芽腫へのStat3の関与のさらなる検討が行われることを切望する。
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