細胞外ヌクレオチドによる血管内皮細胞の機能調節機構の解明
Project/Area Number |
12680647
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Functional biochemistry
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
円城寺 慶一 国立循環器病センター研究所, 病因部, 室長 (00194027)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日根 智恵美 国立循環器病センター研究所, 脈管生理部, 室員 (10280819)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,900,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2000: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | ect-ATPDase / cd39 / Purine / Bradykinin / mouse / Permeability / ecto-ATPDase / Inflammation |
Research Abstract |
血管内皮細胞上の主要なATPやADP分解酵素であるecto-ATPDase/cd39のノックアウトマウスは、血小板の凝集能が著しく低下しているにも関わらず、各臓器において凝固系の活性化を示唆するフィブリンの沈着が増加している。この事は、cd39が除かれたために、過剰に存在する細胞外ヌクレオチドが、血管内皮細胞の機能に影響を与えている可能性を示唆している。細胞外ヌクレオチドの生理機能への影響をcd39ノックアウトマウスを用いて検討た。 血管透過性への影響を、エバンスブルーを前投与しておいたマウスの皮内にATP, ADP或いは、ブラディキニンを投与して、一定時間後に血管外に漏出した色素の程度をもとに判定した。ATPやADPは、野生系マウスとcd39ノックアウトマウスとの間で、血管透過性には明かな差を生じなかった。一方、ブラディキニンはcd39ノックアウトマウスにおいて、著しい血管透過性の低下を示した。ブラディキニンは血管透過性の亢進、血圧降下作用があるので、次にマウス血圧への影響を検討するために、無麻酔下での血圧を測定した。この際、ブラディキニンの分解酵素であるアンギオテンシン変換酵素の阻害剤であるカプトプリルを投与したマウス、或いは8%食塩を含む餌で飼育したマウスの血圧も同時に測定した。cd39ノックアウトマウスの血圧は、野生系と比較して、若干、高い値を示したが、8%食塩負荷においても、野生系と明かな差は認められなかった。カプトプリル投与群においては、予想に反して、野生系よりもやや低値を示す傾向にあった。ATPもブラディキニンも血管内皮細胞でのNOの産生に影響を与えることが知られており、NO産生を通じた血圧の調節の関与が疑われた。また、ATP, ADP或いは、ブラディキニンを静注した場合には血圧降下作用には野生系と差が認められなかった。以上のことは、ブラディキニンの作用が、血管内と血管外では、異なる機構によって調節されていること、この調節にプリン受容体系が関与していることを示している。
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)