Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2001: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Research Abstract |
インタラクティブな環境とは,実験参加者の意図的な行動に応答して何らかの知覚的変化が生じる環境のことである.本研究では,事象関連電位(event-related potential : ERP)を指標として,インタラクティブな環境における脳の情報処理過程を検討した.本年度は,昨年度に実施した聴覚刺激による実験に引き続き,視覚刺激を用いた実験を行った. 第1実験では,16名の大学生/大学院生が3種類の視覚刺激を用いた弁別課題を行った.実験参加者が自分でボタンを押すと刺激が呈示される条件(SELF条件)と,同じ間隔で刺激が自動的に呈示される条件(AUTO条件)を比較したところ,SELF条件の方が弁別課題の成績がよかった.この結果は,刺激の呈示タイミングを自分で制御できるときに行動成績がよくなることを示している.しかし,事象関連電位には顕著な条件差が認められなかった. 第2実験では,刺激の呈示時間を自由に制御できる鑑賞課題で事象関連電位を測定した.16名の大学生/大学院生が,新奇な線画120枚を1枚ずつ自分のペースで好きな時間だけ眺めた.実験終了後,線画を注視時間の長短によって2分して事象関連電位を求めたところ,長く見つめられた線画は,短くしか見られなかった線画にくらべて,呈示開始後150-300msの区間に生じる電位(P2-N2)がより陰性方向へシフトしていた.この結果から,はじめて見る線画をどのくらい長く見るかは,呈示後0.3秒以内にある程度決まっていることが示唆された. 本研究の成果の一部は,第19回日本生理心理学会学術大会(2001.7.6,小倉),日本心理学会第65回大会(2001.11.8,つくば)で発表した.
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