Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2001: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2000: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Research Abstract |
本研究の目的は,高学年配当の算数文章題を対象に,問題解決過程での個々のつまづきに介入して解決能力を向上させる指導のあり方について検討することであり,本年度は,つまづきに対する個別指導を行うコンピュータ・プログラムによる指導の有効性の実証に焦点を当てて研究を続行した。 本年度の研究1では,昨年度にコンピュータを用いた問題解決の訓練実験を実施した小学校において,訓練効果の持続と応用に関する1年後のフォローアップデータを採取した。具体的には,訓練で扱った小数の割合文章題および割合問題の一部と,その後の学習内容である分数の問題からなる課題冊子を用いて,児童の問題解決能力の経年変化を検討するとともに,事前テストと訓練プログラムから得られた昨年度の問題解決データと,本年度の問題解決課題の成績との関連について検討した。 研究2では,昨年度の個別指導プログラムについて,指導部分のさらなる改良を行った。今回の改良では,プレテストの誤答者に対し,出題された文章題の構造を表す一文を学習者に作成させた上で,その内容を文字を使った式にあらわす訓練を追加し,解決に必要な演算を選ぶ訓練を行うようにした。改良版のプログラムを用いて,小学5年生の児童を対象に訓練実験を実施し,プレテスト-ポストテスト間での成績の向上を確認した。また,文章題解決の遂行が向上した被験児としなかった被験児における,訓練中の遂行や事前テストの成績を比較検討することを通して,問題解決能力の獲得ないしは向上に関連する要因の解明を,解決に必要な知識の獲得状況や紙筆状況での問題解決レベル,解決方略などの点から行っている。 研究結果の詳細は,平成14年度の日本教育心理学会で発表予定である。
|