西アジア先史ウバイド文化における社会構造の研究-貯蔵活動の変遷を通じて-
Project/Area Number |
12710218
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
考古学(含先史学)
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
須藤 寛史 早稲田大学, 文学部, 助手 (20318736)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2001: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 北シリア / ウバイド期 / ポスト・ウバイド期 / 物資管理 / 先土器新石器時代 / 土器新石器時代 / 製粉具 / 穀物利用 / 紀元前五〜四千年紀 / ウルク拡散 / 円筒印章 |
Research Abstract |
本年度は昨年度に引き続き、北シリア、テル・コサック・シャマリ遺跡のデータ整理、分析、および報告書の作成を行った。主に小型製品の整理分析を担当した。その結果、物資管理に使用されたと考えられる印章、および封泥の使用法について時期的な変化が見られた。紀元前五千年紀のウバイド期にはバスケットなどの小型の容器に対して封泥が用いられ、またそこに捺される印影も1回のみであった。一方、前四千年紀初頭に当たるポスト・ウバイド期には壼の頚部に封泥が使用され、また同一の印章が2回押印されていた。1つの遺跡において物資管理の方法が時間的に変化してきたことが分かった。これには社会、経済的な背景の変化が予測されるが、当遺跡の資料だけではその具体的な変化の内実までは探ることが出来ない。しかし、今後他遺跡との比較をする上で重要な見解を得ることが出来た。 コサック・シャマリ遺跡の分析と同時に、今年度は同じくシリアのセクル・アル・アヘイマル遺跡の発掘調査にも参加した。当遺跡は前七千年紀の先土器新石器時代から前六千年紀の土器新石器時代の初期農耕村落である。ここでは穀物利用の変遷を探るべく、石製の製粉具、石皿や磨石の整理・分析を担当した。この時期は穀物栽培が本格化し生業経済、集落構造など様々な面で大きな変化が見られる時期である。今後のテーマとして穀物の貯蔵だけでなく、広く穀物利用の変遷を探ることを目的としている。まだ研究に着手したばかりでデータの整理が不十分であるが、当遺跡の製粉具の分析を通じて穀物利用のあり方を明らかにし、当該期の社会・経済的な変化との関係を探っていく予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)