Project/Area Number |
12710288
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
言語学・音声学
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Research Institution | Senshu University |
Principal Investigator |
中村 政徳 専修大学, 経営学部, 助教授 (70286912)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥100,000 (Direct Cost: ¥100,000)
Fiscal Year 2001: ¥100,000 (Direct Cost: ¥100,000)
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Keywords | 素性移動 / 比較統語論 |
Research Abstract |
本研究では、昨年度に引き続き、極小主義プログラム(Chomsky 1995,2000)の観点から素性移動(feature movement)の特性についてさらなる経験的検証を行った。特に、随伴(pied-piping)(Ross1967)という統語現象に着目し、ある種の随伴には素性移動が関与していると主張した。この主張を採用することにより、例えば、英語における節随伴(clausal pied-piping)(Ishihara1984)の持つ様々な性質が統一的に説明されることを示した。もう少し具体的には、時制についての条件、疑問詞の位置についての条件、局所条件といった制約や寄生的空所(parasitic gap)の認可といった特徴が、牽引(Attract)という操作から自然な形で導き出された。 Kayne(1994)の句構造理論の出現により、統語理論において随伴の持つ役割が拡大しているが(例えば、Koopman and Szabolcsi 2000参照)、本研究の成果は本格的な随伴理論の構築のための第一歩となるものである。随伴に関しては、言語間に大きな差異が存在することがよく知られているが、今後、そのような差異の幾つかが、素性移動にかかる制約の観点から説明されることが期待される。 素性移動を含む移動現象の検証の中でもう1つ明らかになったのは、摘出領域条件(Condition on Extraction Domain)(Huang1982)は、経済性理論には全く関与していないということである。最近の研究が示すように(Uriagereka 1999等参照)、この種の局所条件は派生的なものであり、違反が起こる可能性すらなく、よって、その違反を含む派生が収束することはありえないのである。これは不必要な言語計算上の全体性を取り除くことになり、理論的に望ましい結果といえる。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)