Project/Area Number |
12730007
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
経済理論
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松井 彰彦 東京大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (30272165)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2001: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2000: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | ゲーム理論 / 政府対民間企業 / 時間的非整合性 / くり返しゲーム / 交互手番ゲーム / 協調解 / 調整インフレ / 裁量政策 / 通貸のミクロ的基礎理論 / サーチ理論 / 「場」としての「市場」 |
Research Abstract |
政府を社会の中で活動する一経済主体とみなしたとき、政府と民間企業との間に戦略的な関係が生まれる。そのとき、政府が経済全体にとって望ましいと考える政策を採ろうとしても、民間は政府の将来行動を先読みしてしまうため、政府の政策に信憑性がなくなり、政策の実効性がなくなってしまう。このような状況を時間的非整合性の問題と呼ぶ。 研究代表者はこの状況をゲーム理論を用いて分析した。具体的には交互手番ゲームというゲームを政府と民間企業がプレイすると考え、そこで(ある程度)望ましい均衡のみが得られるということを示した。これまでの研究はくり返しゲームという枠組みを用いていたため、フォーク定理に示されるように、望ましい結果から望ましくないものまで非常に多くの結果が均衡によってサポートされるというネガティブな成果に留まっていた。それに対し、交互手番ゲームでは、Lagunoff&Matsui(Econometrica, 1997)において示されたようにフォーク定理が成立するとは限らず、場合によっては、双方にとって望ましい結果(協調解)によってサポートされることが知られている。ただ、この結果は、プレイヤーの利害が完全に一致した純粋協調ゲームという極めて限られたゲームでの結果であった。 今回の論文(In-Koo Choとの共同研究)では、政府と民間企業というプレイヤー間の非対称性を利用することで、同様の結果(すなわち望ましい解のみ生き残るという結果)が得られた点が大きな成果といえる。 現実問題への適用としては、政府はこのような戦略的な関係を正しく認識し、戦略的に行動することによって、そうでないときに比べ望ましい結果が得られるという指摘を行った点を評価されたいと考えている。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)