幾何的保型形式とアイゼンシュタイン級数に関する算術的商多様体の数論
Project/Area Number |
12740022
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Algebra
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
宮崎 琢也 慶應義塾大学, 理工学部, 講師 (10301409)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | アイゼンシュタイン級数 / 導来函手加群 / フーリエ展開 / 齋藤・黒川持ち上げ / 留数的保型形式 / ジーゲル保型形式 / 導来関手加群 / ケッヒャー効果 / テータ対応 / アーサー指標 / 退化主系列表現 |
Research Abstract |
今年度の研究では,有理数体上の一般次数シンプレクティック代数群のジーゲル・アイゼンシュタイン級数について考察した.この群に関する複素シンプレクティック旗多様体の実開群軌道各々には導来函手加群が対応し,それらは実シンプレクティック群のジーゲル退化主系列表現の組成列に現れる.この状況に従って,大域的な退化主系列表現におけるベクトル値保型因子を伴うコホモロジー的な(非)正則ジーゲル・アイゼンシュタイン級数達を具体的に導入した.またこれのフーリエ展開の非自明部を与える指標に関して,その符号数を特徴付ける予想を導来函手加群の波面集合の考察に基づいて定式化した.正則の場合,この命題はケッヒャー原理として知られているものであるが,本研究ではある自己双対性をもつ系列に属する非正則加群達に対してもこの符号数予想を新しく肯定的に証明した.ここではマース・志村による保型形式上の微分作用素系の理論,および志村による合流型超幾何関数の理論を有効に用いた.本研究で構成したジーゲル・アイゼンシュタイン級数のフーリエ展開の係数を精密に与えることは重要であるが,これをまず次数2の場合に実行した.ここでは退化した係数について正則な場合と異なる特徴が確認された.また正則アイゼンシュタイン級数と密接に関係する齋藤・黒川尖点形式について,非正則な場合における拡張された構成を試みた.これについて保型性の直接証明は未完成であるが,表現論的にはある留数的ジーゲル保型形式に相当していると予想できるフーリエ展開級数の公式を正則の場合と同程度に明示的に与えることができた.この級数が持つべき2乗可積分性については,積分の発散に寄与する項が実際に全て消滅していること等,幾つかの必要条件が確認できた.正則な場合と異なり,非尖点性と関わる退化したフーリエ(ヤコビ)係数がこの非正則な場合には自然に現れる.この部分を理論的に新たに定式化し,構成した級数の保型性を直接示すことが次の課題となる.
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)