Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Research Abstract |
ここ2-3年の研究は基礎研究と応用研究をほぼ平行して進めている. まず,基礎研究では,存在が未確認の各種の組合せ的デザインを構成することを中心的な課題としている.今年度は,二重組分けデザインと二重Frameという新しい概念を利用して,既存の組合せ的デザインやFrameなどの再帰的構成法を統一し,新しい再帰的構成法を発見した.つぎに,均斎巣型デザインと均斎配列が同値であることを示し,ブロックサイズが3と4の均斎巣型デザインの存在性を完全に解決し,それを均斎配列の構成に活かした. 応用研究ではまず,携帯電話で使われている符号分割多元接続(CDMA)方式を光ファイバー上で行う時の符合である光直交符号に関する研究を行っている.新しい光直交符号を構成するのが主たる課題である.その構成に組合せ的デザイン理論の各種の性質や構成法を用いる所に特徴がある.今年度は,最適な巡回的t-packingと呼ばれる組合せ的デザインと最適な光直交符号との同値関係に基づき,不完備差行列やskew starterとよばれる組合せ構造,及び有限character sumに関するWeilの定理などを利用することで,重みが4の最適な光直交符号の無限系列をいくつか構成した. つぎに,CDMAと同じスペクトラム拡散通信の種類に,周波数ホッピング多元接続とよばれる通信方式がある.そのとき周波数のホッピングさせかたを,周波数ホッピング系列(FHS)という.FHSの中で最も効率のいい(衝突の少ない)系列を最適FHSという.今年度はこの最適FHSの構成に,分割型の差詰集合族と呼ばれる組合せ構造と同値であることを証明し,その構成法の研究を行った,いくつかの新しい構成法を発見し,今までに知られていない多くの最適FHSを構成した. また,物理学や金融工学で超多次元空間上でモンテカルロ法による数値積分を行う時,一般には疑似乱数を用いるが,普通の乱数を使うより組合せ的にバランスした乱数列を使う方が精度が格段に良くなることが最近分かってきた.これが(T,M,S)-netと呼ばれる組合せ的乱数列である.今年度は,この(T,M,S)-netを有限射影幾何上の性質を用いて構成する方法に取り組んだ. 暗号システムにおける秘密分散法とは,ある秘密鍵に関する情報を多くの部分に分け,そのうちのいくつかがそろわないと秘密鍵が再製できないようにしたものである.今年度は,差集合族により,ある種の秘密分散法を完全に特徴付けた.
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