Research Project
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
当該研究では物質が液体及び気体等の異なる2つの相を安定維持するような状態の重要な数理モデル化のひとつであるファンデルワールスのフェイズフィールドモデルの解析を主目標としている。物質の状態を表すために、表面張力効果を持つ特異摂動項を持つような非凸エネルギー汎関数をここでは考える。相分離面の厚みを表すパラメターによる停留点の漸近挙動が当初考えられた。予備的な結果としてJ.Hutchinsonとの共同研究により、相分離界面はパラメターが十分小さい時には定平均曲率曲面にハウスドルフ距離の意味で近いことが示された。これは以前知られていた結果がエネルギー最小解のみの知見であることと異なり、一般停留点に対しての結果であることが特記される。その後オイラー・ラグランジェ方程式におけるラグランジェ乗数が関数である場合について研究した。これは変数化学ポテンシャル項を考察した事にあたり、極限相分離界面の平均曲率値がこの化学ポテンシャルによって決定される事を示した。(研究発表1)研究集会における意見交換で特に応用数学者との情報交換を行い、当該研究に関連する問題としてリーマン多様体上での特異摂動、解析と、サイン-ゴードン方程式の不安定回転解との関係が指てきされ、現在リーマン多様体版の研究成果をあげつつある。
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