インフレーション宇宙における量子ゆらぎ理論の再検討
Project/Area Number |
12740154
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
素粒子・核・宇宙線
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 貴浩 京都大学, 基礎物理学研究所, 助教授 (40281117)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2001: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | インフレーション / 量子ゆらぎ / ブレーンワールド / 長波長ゆらぎ / 古典化 / 密度ゆらぎ / 再加熱 |
Research Abstract |
スタンダードなインフレーションにおける量子ゆらぎの問題として、特に新たな側面が現れることが期待されるプレヒーティングのステージに関して研究を進めた。B. Basset氏等との議論を経て現在論文を執筆中である。ここではプレヒーティング時における長波長ゆらぎの生成を議論しているが、最近の新しい考え方であり、もともとは申請者らのグループを含む日本の複数のグループが明らかにした長波長ゆらぎの取り扱い手法を応用する研究を行った。エネルギー密度がある値に下がるまでにどれだけ宇宙膨張したかは空間の各点で異なる。この新しい手法のエッセンスは、この膨張率の差が、新たな密度ゆらぎの生成になるという簡単なステートメントに要約される。この考え方を適用すると、最終的には互いに相殺する余分な寄与が表面に現れず、見通しがよいことがわかった。この方法を適用した結果、ナイーブな解析ではゆらぎの生成が過大評価される可能性が大きいことがわかった。 更に、近年注目を集めているブレーンワールドにおけるインフレーションについても研究を行った。内田元氏、石橋明浩氏らと共同で、新しいタイプのブレーンインフレーションモデルを提唱した。これとは、独立にBucherによって提案された衝突するブレーンから宇宙が生まれるという宇宙創生のシナリオと似た側面を持つが、宇宙がコンパクトに生成されるという点で異なり、モデルヘの要請なども大きく異なる。このBucherによって提案されたモデルはよりシンプルであるので、まずは、このモデルについて生成される初期密度ゆらぎをJ. Garriga氏と共同で調べた。このため、我々は衝突するブレーンから生成される密度ゆらぎを定量的に計算する新しい手法を確立した。計算の結果、Bucherのモデルにおいては、スケール普遍な初期密度ゆらぎを得ることは難しいことがわかり、通常のインフレーションをより指示する結果となった。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)