Project/Area Number |
12740168
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
固体物性Ⅰ(光物性・半導体・誘電体)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鶴岡 徹 東北大学, 電気通信研究所, 助手 (20271992)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 強磁性金属表面 / 極薄酸化膜 / 高分解能電子エネルギー損失分光法 / 低速電子線回折 / 強磁性トンネル接合 / パーマロイ / 極薄絶縁膜 / オージェ電子分光法 |
Research Abstract |
本研究は強磁性金属表面上に極薄の酸化膜を形成し、その初期形成過程を高分解能電子エネルギー損失分光法(HREELS)と低速電子線回折(LEED)により解明することを目的としている。 金属基板として強磁性トンネル接合に用いられるパーマロイ合金のNiFe(111)面を選択した。NiFe(111)表面の実験はこれまで報告例がなく、清浄化方法も確立されていない。本研究ではまずLEEDとオージェ電子分光法を用いて最適な清浄化条件を調べた。その結果、Arイオンスパッタリング(500eV、30分)と900K、2分間の加熱処理を数回繰り返すことによって再現性よく準備できることがわかった。 清浄なNiFe(111)面のHREELSスペクトルには弾性散乱ピーク以外何も観測されない。この表面にまず室温で酸素を吸着した。吸着量が1L以下では約50meVの損失ピークのみが観測されるが、1L以上では80meV付近にもピーク構造が現れ始め、吸着量の増加とともにそれらの損失強度は大きくなる。この2つの損失ピークはそれぞれ、FeOとNiOに起因したものであると同定した。この結果から、室温における酸素吸着によって最初にFeOが形成され、その後NiOが形成されることがわかった。NiOの損失ピークはFeOに比べてブロードであることから、NiOはアモルファス状に形成されていると考えられる。 室温で50Lの酸素を吸着した後、試料を100Kずつ上げながら加熱すると80meV付近のブロードな損失構造は75meVのシャープな損失ピークへと変化した。これはNiOの結晶化を意味する。この75meVのピークは800Kで消失するが、50meVのピークは950Kで消失する。これらの結果はNiFe(111)面ではFeOの形成が支配的であることを示唆している。50L吸着した表面のLEED像はバックグランドが高く不明瞭であるが、700Kの加熱後にはシャープなスポットから構成される複雑なパターンを示した。この複雑なLEED像はFeOとNiOが共存しているためであると考えられる。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)