海洋内部混合の空間不均一性を考慮した全球規模熱塩循環の高解像度モデリング
Project/Area Number |
12740268
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Meteorology/Physical oceanography/Hydrology
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
羽角 博康 東京大学, 機構システム研究センター, 助手 (40311641)
|
Project Period (FY) |
2000 – 2001
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
|
Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Keywords | 熱塩循環 / 鉛直拡散 / 潮汐 / 海洋大循環モデル / 鉛直混合 / パラメタリゼーション / 内部潮汐砕波 |
Research Abstract |
海洋の熱塩循環において深層水が浮力を獲得する過程は鉛直方向の乱流混合であるが、その混合の維持のためには海洋外部からの力学的エネルギーの供給が必要となる。そのエネルギー源は海面での風応力と潮汐の二種類であるが、そのいずれに関してもどのような大きさと分布を持っているのかは観測的に明らかではなく、さらにそのエネルギーの乱流混合への変換効率に関しても不確定な部分が大きい。本研究ではそのうちの潮汐について着目する。潮汐に起因する乱流混合は空間的に大きく変動していることが観測によって最近になって知られ、その空間変動が熱塩循環の形態や強度に対してどのような意味を持つのかに特に注目する。 本研究においては海洋大循環モデルを用い、観測的に知られている海洋の密度分布と熱塩循環の強度をシミュレートするためにはどれだけのエネルギーが乱流混合に消費されていなければならないのかを見積もる。海洋大循環モデルにおいては鉛直(乱流混合)拡散係数をパラメータとして外部から与えなければならず、これは観測的には必ずしもよく知られていない不確定量であるため、その大きさや空間分布を考えられる不確定性の幅で様々に変更した実験を行い、必要な乱流混合エネルギーの量がどの程度異なり得るかを調べることにした。その結果、東西積分流量としての熱塩循環強度は鉛直拡散係数の水平方向の分布にはあまり依存しないことがわかった。また、現実的な熱塩循環強度を得るために必要な乱流混合のエネルギーは0.4TW程度と求められ、観測的に見積もられている潮汐エネルギー量のうち20%程度が乱流混合に消費されている必要があるという結果を得た。この変換効率は理論的に提唱されている値と整合的である。
|
Report
(2 results)
Research Products
(8 results)