Project/Area Number |
12740288
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Stratigraphy/Paleontology
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山田 努 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50321972)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2001: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 造礁サンゴ / 炭素同位体比 / 酸素同位体比 / 骨格 / 成長線 / 喜界島 / 炭素同位体 / 酸素同位体 |
Research Abstract |
近年、造礁サンゴ骨格を用いて高い時間分解能で、過去の海洋環境、特に海水温変化の復元を試みる研究が多く行なわれている。一方、サンゴ骨格の形成過程によって骨格の同位体比記録が変形を受ける可能性が指摘されている。研究代表者は、石垣島周辺海域に生息する造礁サンゴを用いて、サンゴ骨格形成および同位体比記録を記述する包括的なモデルを構築した。本研究の目的は、このモデルの一般性の検証と改良をおこなうことである。そこで本研究では、琉球列島の中でもサンゴ礁の分布域の北限近くに位置する喜界島周辺海域において、造礁サンゴの生息する水深25m以浅の海洋環境(水温・塩分・海水の酸素同位体比・溶存無機炭素の炭素同位体比)の詳細な観測と、そこに生息する造礁サンゴの採取を行なった。海洋環境の連続観測には、平成12年11月に水深10mと20mに設置した塩分・水温計と水深5mから25mまでの5m毎に設置した水温計を用いた。これら観測機器のメンテナンスのために平成13年4、7、11月に現地に赴き、同時に各水深で海水を採取し、塩分計校正用の海水試料および海水の酸素同位体比、溶存無機炭素の炭素同位体比測定用の試料とした。海洋環境の観測は現在も継続して行っているが、現時点までの分析で次のことが明らかになった。(1)水温は明瞭な年周期変化を示し、水深10mにおける最高水温は約31℃、最低水温は22℃である。(2)海水の酸素同位体比は、冬に高く(約0.6‰)、夏に低い(約0.3‰)。また、これらの海洋環境の観測とともに、降水や湧水の同位体組成も分析した。造礁サンゴは、平成13年7月に水深25mおよび15mで、平成13年11月に水深20mでそれぞれ1群体を採取した。これらのサンゴ骨格の成長線・同位体比の分析は現在進行中である。一方、サンゴ骨格の骨格形成過程や同位体比記録を記述するモデルを改良し、より定量的扱いができるようにした。
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