Project/Area Number |
12740295
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Petrology/Mineralogy/Science of ore deposit
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
久保 友明 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40312540)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | 高温高圧実験 / 放射光 / ポストガーネット相転移 / 焼結ダイアモンドアンビル / 相転移メカニズム / 相転移カイネティクス / 沈み込む海洋プレート / マントルダイナミクス / ガーネットーペロフスカイト相転移 / 焼結ダイアモンドマルチアンビル |
Research Abstract |
ポストガーネット分解相転移のメカニズムやカイネティクスを明らかにするために、焼結ダイアモンドマルチアンビル装置と放射光を用いた高温高圧X線その場観察実験を行い、回収試料の相転移微構造の電子顕微鏡観察を行った。 高圧X線その場観察実験は、つくば高エネルギー加速器研究機構において行い、圧力27.0-31.0GPa、温度1273-1600Kの条件で10-500秒毎のkinetic dataを得た。実験回収試料の電顕観察から、ポストガーネット相転移が粒界に核生成して成長することによって進行することが明らかになった。もうひとつの主要な相転移であるポストスピネル分解相転移との大きな違いは、ポストガーネット相転移では分解相がラメラ状の成長組織を示さないことである。さらにkinetic dataの解析から成長速度が時間とともに急激に減少していることが明らかになった。ポストスピネル相転移よりもポストガーネット相転移の方が相転移の進行が非常に遅くなる。 ポストスピネル相転移の場合、海洋プレート内の低温条件においても相転移速度は充分に大きく、相転移の深さは上下マントル境界に近い深さ700km付近になると予想される。しかしポストガーネット相転移の場合は成長速度が遅いため、海洋地殻が下部マントルに突入してから数百km沈み込んでも相転移が完了せず大量の準安定なガーネットが存在する可能性がある。下部マントルに沈み込んだスラブのうち海洋地殻部分は、準安定なガーネットの存在による浮力で沈み込めずにかんらん岩層部分から分離し下部マントル上部に滞留している可能性がある。 これらの研究成果は、国内学会(2001年地球惑星関連学会合同大会、第42回高圧討論会)および国際学会(2001年アメリカ地球物理学連合秋季総会、2002年ヨーロッパ鉱物学会)において発表し、また現在論文を作成中である。
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