火星隕石中の衝撃斜長石ガラス(マスケリナイト)の鉱物学的特性と形成史の研究
Project/Area Number |
12740297
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Petrology/Mineralogy/Science of ore deposit
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
三河内 岳 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (30272462)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 火星隕石 / 月隕石 / 斜長石 / マスケリナイト / 小惑星 |
Research Abstract |
本年度は、前年度に引き続き、衝撃を受けた斜長石を含むいくつかの隕石サンプル(火星隕石、月隕石、HED隕石)を用いて以下の分析を行った。1.光学的性質分析(デジタルカメラ付き偏光顕微鏡):斜長石の組織の特徴、バイレフリンジェンスの有無。2.化学組成分析(エレクトロンマイクロプロープ、走査型、透過型電子顕微鏡):エレクトロンマイクロプローブによるライン分析、元素マッピングによる2次元組成分布。3.分光分析(顕微ラマンスペクトロメーター):結晶質、非晶質の違いによるスペクトルの差の測定。4.結晶構造解析(透過型電子顕微鏡、放射光による微小領域X線回折):マイクロメーター、ナノメーターオーダーでのマスケリナイトの構造を分析。 また、今年度は、火星隕石中のマスケリナイトを用いた加熱実験も併せて行った。900度で加熱時間を変えて(1時間から1週間)実験を行ったところ、4時間加熱したマスケリナイトから再結晶化が起こり、24時間でほとんどもとの斜長石のすべてが繊維状に再結晶化することが分かった。また、途中の段階では、再結晶化した斜長石とガラスが共存しており、ガラス部分にKが濃集することが明らかになった。同時に、組織的には、再結晶化が起こったマスケリナイトは、元々のスムーズな(光学顕微鏡で観察した際に)表面が失われて、気泡のような穴がいくつも形成された。実際にいくつかの隕石中にこのような斜長石は見つかっていたが、本実験の結果から、それらの斜長石の形成史に制約を与えることが可能になった。例えば、火星隕石ALH84001中のマスケリナイトは、Kに富んだガラス部分が破砕した形で取り込まれている。これは、おそらく元々ガラス化した斜長石が短時間加熱された後に再び衝撃で破砕されたことを物語っている。また、月隕石Y793169やユークライト隕石Y75032は、斜長石が繊維状になっており、内部には気泡状の穴が見られる。これらも実験結果と対応するために、ガラス化した斜長石の再加熱による再結晶によって形成されたことが考えられる。
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Report
(2 results)
Research Products
(12 results)