密度汎関数法の新しい自己相互作用補正法の開発と高速計算ソフトウェアの構築
Project/Area Number |
12740312
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical chemistry
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
常田 貴夫 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (20312994)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 密度汎関数法 / 自己相互作用誤差 / 領域的自己相互作用補正法 / 交換自己相互作用 / van der Waals結合 / 長距離交換相互作用補正法 / van der Waals密度汎関数 / 希ガス二量体の解離ポテンシャル / DFT交換汎関数 / 運動,交換,相関汎関数の横断的関係 / DFT高速計算ソフトウェア / 遷移金属二量体 |
Research Abstract |
平成13年度、密度汎関数法(DFT)における交換汎関数の自己相互作用誤差(SIE)を取り除く新しい方法を提案した。自己相互作用に支配された空間領域を見つけ出し、その領域の交換自己相互作用エネルギーのみ補完する領域的自己相互作用補正法である。この方法では、全運動エネルギー密度τ_σ^<total>が自己相互作用する電子に対してWeizsaecker運動エネルギー密度τ_σ^wを与えることを利用し、τ_σ^<total>がτ_σ^wに近づく領域を自己相互作用領域とする。交換自己相互作用エネルギーについては、分子内で自己相互作用する電子が水素様原子軌道のように振舞うことを利用し、このような電子に対して厳密な交換エネルギーで補正する。現在、この自己相互作用補正法のプログラムを開発中であり、完成し次第、従来のDFTでは過小評価される様々な化学反応系の反応障壁の計算に適用する予定である。 さらに、昨年度開発した長距離電子間交換相互作用補正(LRC)法を利用して、DFTにもとづくvan der Waals(vdW)結合の定量的計算法を本年度開発した。SIEは長距離交換相互作用の記述に大きく影響する。LRC法は、誤差関数による二電子間相互作用1/r_<12>の電子間距離r12による分割にもとづき、交換汎関数の長距離部分をHartree-Fock交換積分で補正する方法である。本研究者は、vdW結合が電子間のvdW相互作用と長距離交換相互作用とのバランスにより形成されていると考え、vdW密度汎関数をLRC法と組み合わせることにより、DFTによるvdW結合の定量的記述を試みた。この方法を希ガス二量体の解離ポテンシャルに適用した結果、従来のvan der Waals補正法と比較して、van der Waals結合ポテンシャルの再現性が飛躍的に向上したことから、vdW結合の記述には長距離交換相互作用が重要であることが確かめられた。この方法は、昨年度開発したDFT高速計算ソフトウェアにすでに搭載済みである。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)