ONIOM法による反応制御に重要な役割を果たす有機金属錯体に関する理論的研究
Project/Area Number |
12740330
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical chemistry
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Research Institution | Institute Fundamental Chemistry |
Principal Investigator |
松原 世明 財団法人基礎化学研究所, 主任研究員 (60239069)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2001: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | 不斉反応 / スタノール合成反応 / 触媒反応 / 遷移金属錯体 / 電子的効果 / 立体効果 / 分子軌道法 / ONIOM法 / 交互共重合反応 |
Research Abstract |
実験的に注目を浴びている有機合成反応において、遷移金属錯体がどのように反応を制御しているのか、ab initio分子軌道(MO)法およびONIOM法を用いて理論的に解析を行い、その原因を解明した。 キラルな(R, S)-BINAPHOS配位子を持つPd(II)錯体触媒によるスチレン/CO交互共重合反応は、COとスチレンンの挿入反応がPd錯体上で交互に繰り返されて進行し、ほぼ完全なレジオおよびエナンチオ選択性を示すことが実験的に報告されている。その高い選択性は、スチレン挿入過程の遷移状態でのスチレンのPh基の配置が、BINAPHOS配位子の立体効果により決定されるため発現するこ、またその配位子の効果は、重合度が増すにつれて変化することが分かった。また、(R, S)-BINAPHOS配位子を持つRh(I)錯体触媒による不斉ヒドロホルミル化反応における高い選択性発現の原因についても同様にして、オレフィン挿入反応の遷移状態でのBINAPHOS配位子の立体効果により反応がうまく制御さているためであることが明らかとなった。 材料化学的観点から重要なスタノール合成反応では、錯体触媒の配位子によって律速過程が制御されると考えられている。錯体触媒としてM(PR_3)_2(M=Ni,Pd,Pt ; R=Me,i-Pr,t-Bu)を用い、配位子がポテンシャルエネルギー面にどのように影響を与えるのかを解析し、律速過程と反応性の予測を行った。その結果、ホスフィン配位子の置換基によって律速過程が変化すること、ホスフィン配位子の置換基としてi-Pr基を用いると、立体的および電子的な両効果が効果的に作用するため、ポテンシャルエネルギー面が安定化され、反応の活性化エネルギーが最も低下することが明らかとなった。
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Report
(2 results)
Research Products
(13 results)