Research Project
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
まず、ガンビエロールのE環およびH環部の短段階合成について検討した。デオキシリボースから誘導した7員環ラクトンを定法によりケテンアセタールトリフレートとした。これに対し、パラジウム触媒依存下、亜鉛ホモエノレートを作用させることで対応するカップリング生成物を良好な収率で得ることに成功した。得られた生成物は、ハイドロボレーションおよびラクトン化によって、ガンビエロールE環部およびH環部へと変換することができた。今回用いた方法では、アリルスズを用いる従来法に比べて行程数を約3分の2に短縮することができた。次に各セグメントの連結についてのモデル実験を行った。カルボン酸とアルコールから合成したエステルに対し、脱保護、アセタール化、脱離を行いアリルスズを導入した。次にエステル部をDIBALHで還元した後、生じたアルミニウムヘミアセタールを無水酢酸でトラップし、αーアセトキシエーテルを合成した。同様の方法で様々な環化前駆体を合成し、ルイス酸による環化反応を検討した。反応はどの場合も収率良く進行し、目的の化合物が立体選択的に得られてきた。次に得られたジエンに対し、ルテニウム触媒を用いる閉環メタセシスを検討した。この場合も反応は収率良く進行し、様々な大きさのポリ環状エーテルを得ることができた。また、同様の方法論を用いることで、ガンビエロールのCDEFG環部の合成にも成功した。
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