ビシクロ骨格の縮環した含硫黄環状π電子系の合成と性質
Project/Area Number |
12740344
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Organic chemistry
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西長 亨 京都大学, 化学研究所, 助手 (30281108)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | ビシクロオクテン / ジチイン / オリゴチオフェン / ラジカルカチオン / ジカチオン / X線結晶解析 / ESR / チオフェン / 一電子酸化 / X線結晶構造解析 / スピン分布 |
Research Abstract |
1.2個のビシクロ[2.2.2]オクテン(以下BCOと略記)ユニットの縮環した1,2-ジチインを合成し、そのラジカルカチオンおよびジカチオンの性質について検討した。その結果1,2-ジチインラジカルカチオンは、脱気条件下では、分子間で反応して、新奇なテトラチアビシクロ[2.2.2]オクテン骨格を持つラジカルカチオン1とチオフェン体に、空気中では、酸素と反応してさらに転位することにより新奇な1,2-ジチオリウムイオンに異性化することを見いだした。またこの1,2-ジチイン体および1を五フッ化アンチモンで酸化させると、1,2-ジチインのジカチオンが生成することがわかった。さらにNMRおよび理論計算の結果からこのジカチオンは芳香族性を有することを見いだした。 2.BCO骨格で覆われたオリゴチオフェン(2量体、3量体、4量体、6量体)を合成し、その酸化還元特性をサイクリックボルタメトリーにより測定した。その結果、一電子目と二電子目の酸化のピーク間電位は、オリゴマー長が長くなるにつれ、狭くなっていくことが観測された。さらに2量体および3量体においても一電子目の酸化は可逆となり、ラジカルカチオンがBCO骨格により安定化されていることが示唆された。事実、2量体および3量体のラシカルカチオン塩が空気中でも安定に存在出来ることを見いだし、2量体のラジカルカチオンとしては初めてそのX線結晶解析に成功し、さらに3量体ではジカチオンがNMRによる観測が可能であることも見いだした。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)