非共有結合による自己集合を基盤とした新規フラーレンホスト分子の合成
Project/Area Number |
12740348
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Organic chemistry
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
灰野 岳晴 広島大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80253053)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | フラーレン / 超分子錯体 / 水素結合 / 配位結合 / アロステリック効果 |
Research Abstract |
本研究では、配位結合や水素結合などの非共有結合により生成する自己集合超分子錯体を基盤に用いるフラーレンレセプターの構築を計画した。我々は既にカリックス[5]アレンがフラーレン類の有効なレセプターになることを報告している。そこで、この骨格に種々の水素結合性官能基や配位結合性官能基を導入し、種々の特異な機能を発現することを期待される超分子レセプターの開発を行った。1.ウレア基を導入したカリックス[5]アレンはクロロホルム中で超分子二量体を形成、C60及びC70を包接した。また、この超分子錯体は酸の添加により分解し、包接されていたC60及びC70を溶液中に放出した。この様に、酸の添加により、C60とC70の包接と放出を超分子レセプターを用いることにより制御することに成功した。2.ビピリジンを導入したカリックス[5]アレンを合成した。この分子は銀イオンの添加により超分子錯体を形成した。C60及びC70に対するこの超分子錯体の包接能の評価をESI-MSを用いて行った結果、このレセプターはC60に対して高い選択性を示した。我々は二分子のカリックス[5]アレンを共有結合で連結したフラーレンレセプターがC70に対して選択性を示したことを報告していることから、今回開発した超分子錯体がC60に選択性を示したことは非常に興味深いことである。3.アロステリックな包接挙動を示す新規レセプターを合成した。金属配位部を有するカリックス[5]アレンを化学結合により連結したこのレセプターは、銅一価イオンの添加により大きな構造変化を起こした。この錯体は二つのカリックス[5]アレンにより形作られる空孔を有しており、この中にフラーレン類を包接した。また、銅イオンの有無によりこのレセプターはアロステリックな包接挙動をフラーレン類に対して示した。以上のように、非共有結合を利用して、種々の興味深い機能を発現する超分子フラーレンレセプターの合成に成功した。
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Report
(2 results)
Research Products
(14 results)