Project/Area Number |
12740357
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Inorganic chemistry
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田中 健太郎 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (40281589)
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Project Period (FY) |
2000 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | DNA / 金属錯体 / 塩基対 / 二重鎖 / 融解温度 / 金属イオン集積 / 超分子 / 分子素子 |
Research Abstract |
本研究では、新しい機能性分子の創製を目的とし、遺伝情報を司る生体高分子であるDNAの核酸塩基間の水素結合を基にした二重鎖の分子認識や会合力、または主鎖の形成を、金属錯形成に置き換えた人工DNAの構築を行った。このような人工DNAは金属イオンの存在下、二重鎖が会合し、DNA内へ金属イオンを固定化することが可能である。金属錯体は結合角などの幾何学的性質や、結合の動力学や熱力学、また、光学的、酸化還元的、磁気的な特性が通常の有機化合物とは大きく異なるため、核酸に金属錯体を導入することにより新しい機能性分子としての人工DNAの構築が期待できる。 天然の核酸塩基の代わりに金属配位子(o-フェニレンジアミン、カテコール、2-アミノフェノール、ピリジン、ヒドロキシピリドンなど)を導入することにより、水素結合ではなく、金属イオンとの錯生成をとおして塩基対を形成する人エヌクレオシドを合成した。ピリジンやヒドロキシピリドンを核酸塩基としたヌクレオチドをDNAシークエンス中に導入した場合、人工塩基対に対し1当量のAg(I)やCu(II)イオンを加えることにより、金属錯体型塩基対を形成し、DNA二重鎖解離温度が上昇した。このような二重らせん構造の熱的安定化は天然型DNAには見られないことから、これらの人工DNAは、外部因子によりDNA二重鎖構造を制御する方法論となりうる。金属錯体型塩基対を有する人工DNAは、DNAの遺伝情報を担うアルファベットの拡張といった可能性を有しているとともに、DNA骨格を利用した金属イオンの集積場として機能性分子への応用にも興味が持たれる。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)