Project/Area Number |
12740372
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
機能・物性・材料
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
内藤 俊雄 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20227713)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2001: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2000: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 分子性伝導体 / 磁性伝導体 / 遷移金属クラスター / 分子磁性 / 機能性材料 / 分子性結晶 |
Research Abstract |
昨年度の研究成果を受け、マンガン(III/IV)の12核クラスターに配位子としてカルコゲンドナー誘導体を付加させることを試みた。具体的にはエチレンジチオテトラチアフルバレンのπ-共役系末端にカルボキシル基をつけ、このカルボキシル基がマンガンに配位したとき、マンガンクラスターと密接に相互作用することを期待した。実際こうした配位子を合成してみたところ、そのカルコゲンドナーとしての化学的性質や電子構造上の変化が予想以上に大きく、これ自体ほとんど研究例がないため、新たな分子性伝導体の構成要素として興味が持たれた。しかしその反面、カルボン酸と電子供与性という異質な組み合わせの性質を持ち合わせた分子であるため、溶解性や反応性を予測することが難しく、マンガンクラスターに配位する段階で適当な反応条件や溶媒を慎重に選ぶべきであることが分かった。少なくとも芳香族カルボン酸を配位子として付加させる場合とはかなり条件を変えてやらないと、クラスター、配位子の両者のほとんどが未反応物として回収された。一方懸念された配位子とマンガンクラスターとの酸化還元などの副反応は現在まで観測されていない。 更に昨年度に引き続き、本研究遂行中に副産物として得られてきた3つの新分子性伝導体の磁気的および電気的性質の研究も行った。例えばこれらの物質は有機分子性結晶であることを除いても、圧力印可に対して敏感にかつ異方的に応答することが期待される結晶構造をしている。そのような場合、圧力下での磁性・伝導性測定や伝導経路などを考慮した特定の方向からの圧力は、これらの電子構造を知る上でも応用上も重要な知見となりうる。そこで静水性高圧下での磁化率測定や一軸性加圧下での電気伝導度測定などを行い、これらの電子構造や圧力に対する応答に関し、より詳細で具体的な描象を得ることができた。
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