アルコール脱水素酵素を用いた不斉還元法の新展開:超臨界流体を反応場とすると?
Project/Area Number |
12740400
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
物質変換
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
松田 知子 龍谷大学, 理工学部, 助手 (10319494)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 超臨界二酸化炭素 / アルコール脱水素酵素 / チチカビ / 不斉還元 / 光学活性アルコール / 置換基効果 / 生体触媒 / 吸水性ポリマー / フッ素化アルコール |
Research Abstract |
本研究は、環境にやさしい高選択的な物質変換法を開発することを目的として行っている。具体的には、チチカビ(IF04597,IF05767等)による不斉還元反応の媒体として超臨界二酸化炭素を用い、光学活性アルコールの高効率的合成法の開発をめざす。平成12年度にはに吸水性ポリマー上に固定化したチチカビを用い、o-Fluoroacetophenoneの還元を行うと、超臨界二酸化炭素中において反応が進行することを見い出している。基質特異性を調べるために、様々な位置にハロゲン置換されているアセトフェノン誘導体を用い反応を行ったところ、置換基は不斉収率には、ほとんど影響しなかったが、収率は、o>m>pの順番に減少した。 また、保存性が悪い生菌体ではなく、乾燥菌体を用いた反応の検討を行った。水中の反応では、生菌体を用いるよりも効率が良いことが知られているが、超臨界流体中では、生菌体を用いた方が効率が良かった。さらに、生菌体を用いると高価な補酵素(NAD^+もしくはNADP^+)を加える必要がないが、乾燥菌体においては補酵素添加の必要があり、乾燥菌体よりも生菌体の方が超臨界二酸化炭素中の反応には適していることを見い出した。また、本研究により開発された、菌体そのものを超臨界流体中で用いた反応を行う技術は、アルコール脱水素酵素以外の酵素にも応用可能であることを見い出した。っまり、加水分解酵素のような安定性が高い酵素のみでなく、安定性が低い酵素でも超臨界二酸化炭素中で使用できることが判明し、環境に優しく、高効率的、実用的な超臨界流体中での生体触媒反応の可能性を大いに高めたと考えられる。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)