Project/Area Number |
12740463
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
動物生理・代謝
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
横須賀 誠 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助手 (90280776)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 性ホルモン / 鋤鼻器 / 副嗅球 / フェロモン / Whole cellパッチクランプ / 免疫組織化学染色 / 性ホルモル / RT-PCR / Whole cell patchクランプ |
Research Abstract |
本研究は、性ホルモンが鋤鼻器感覚細胞のフェロモン受容に及ぼす影響を、組織化学的・生理学的に解析しようと計画されたものである。鋤鼻器感覚細胞の基本生理を理解することを目的に、実験計画に基づき本年度は(実験1):ラット鋤鼻器スライスに対するwhole cellパッチクランプによる感覚細胞からの電気生理記録法の樹立および(実験2):免疫組織化学染色およびRT-PCRによるフェロモン受容に続く鋤鼻器感覚細胞における刺激伝達機構の探索を行った。 結果:(実験1): Whole cellパッチクランプによる鋤鼻器感覚細胞(受容体細胞)からの生理記録の取得には成功した。しかし、スライス標本における感覚細胞の生存状態は、20℃以下の低温状態では比較的良好を保つものの、一般的な生理記録に要求される37℃ではwhole cellによる記録取得に耐えうる生存状態を保てないことが判明した。このため、本研究期間内にwhole cellパッチクランプによるラット鋤鼻器からの生理記録法の確立を原著論文として発表するには至らなかった。これまで発表されてきた哺乳類鋤鼻上皮に関する生理実験が、On cellパッチクランプやカルシウム・イメージングによるものであるのは、鋤鼻器感覚細胞がスライスにすると良好な生存状態を保てないことに起因すると思われる。 (実験2)免疫組織化学染色およびRT-PCRによって、イノシトール3リン酸(IP_3)受容体が鋤鼻感覚上皮に多く認められることを突き止めた。この結果は、鋤鼻器感覚細胞ではフェロモン信号の細胞内刺激伝達にIP_3を使っていることを示唆している。しかしながら、本報告書の作成段階では電子顕微鏡による上皮における局在を示すに至らなかった為、原著による報告には至らなかった。 鋤鼻器感覚細胞に対する性ホルモンの作用機序を解明するには、鋤鼻器感覚細胞の基本生理が理解されていることが必須である。原著による報告には至らなかったが、本年度の研究によって、細胞内刺激伝達系の候補として以前から挙げられていたIp_3受容体の存在を示唆できたことは大変に有意義であった。
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