Project/Area Number |
12740471
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
系統・分類
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
田村 浩一郎 東京都立大学, 理学研究科, 助手 (00254144)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2001: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | ショウジョウバエ / ミトコンドリアDNA / 生殖的隔離 / 地理的隔離 / 分子マーカー / 分子系統 / 分子進化 / 種分化 / 遺伝子浸透 |
Research Abstract |
ミトコンドリアDNA(mtDNA)は、分子系統学において、近縁な分類群間の系統関係を研究するために広く用いられている分子マーカーである。しかし、遺伝様式が核ゲノムと異なることから、mtDNA分子の系統関係は種の系統関係を必ずしも反映しない可能性も予想される。事実、異種間浸透により、異所的に分布する同種の集団よりも同所的に分布する他種の集団に近い配列を持つ現象は、種々の動物種で報告されている。そこで、本研究は、種分化に際して生殖的隔離と地理的隔離がmtDNAの分化にどのように影響するのかを明らかにすることを目的とし、テングショウジョウバエ亜群(Drosophila nasuta subgroup)の11種・亜種について、mtDNAと核遺伝子の分子系統樹の比較を行った。今年度はmtDNAの比較対照として核のwhite遺伝子の分子系統学的解析を行った。 その結果、white遺伝子の系統関係は、形態、生殖的隔離などから総合的に判断される種の類縁関係と一致した。例外は、非常に近縁で生殖的隔離が不完全であるD. nasutaとD. albomicans、及びD. pulauaとD. sulfurigasterの間では、種間のDNA配列間の差異が種内変異の範囲に入る場合で、むしろwhite遺伝子の系統関係は生殖的隔離の程度を反映するものであることが示唆される。一方、mtDNA塩基配列間の系統関係に見られたような、分布域が近い種の配列が分子系統樹上でクラスターを形成するような傾向は全く見られなかった。以上の結果から、mtDNAの分化は、生殖的隔離の確立による種の分岐より、むしろ分布域の変化に伴う地理的隔離により大きく影響されることが明らかとなり、mtDNAを分子マーカーとして種の系統関係を議論する際の危険性が結論づけられた。
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