Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Research Abstract |
培養株の確立:前年度に検討したサンプリング技術を用い,今年度は新たにスラウストキトリウム科57株の培養株を確立することに成功した。 生活史と各ステージの形態比較:光学顕微鏡と連続観察のためにビデオ撮影装置を組み合わせて,スラウストキトリウム科の12株について生活史の調査・解析を行った。1)個々の栄養細胞が1つの遊走子嚢になるもの,2)栄養細胞が2分裂を繰り返す能力をもち,娘細胞のそれぞれが遊走子嚢になるもの,3)栄養細胞がアメーバ細胞へと変態した後に遊走子嚢になるもの,といった様々な形態パターンが観察できた。それぞれの形態形質はThraustochytrium属,Schizochytrium属,Ulkenia属の特徴になっている。さらに,それぞれの形質を同時にもつような株も得られており,このような形態形質の妥当性について問題提起をすることができた。 分子系統解析:18SrRNA遺伝子のPCR増幅実験によって,その領域の増幅サイズが他のスラウストキトリウム科のものと異なる株(RT0100株)が出現した。これについて18SrRNA遺伝子の全塩基配列決定を行い,既知の配列と共に分子系統解析を行った。既報告の知見としてラビリンチュラ類には大きく2つの系統群が存在していることが知られている。前年度に分離された株はこれまでのところすべてThraustochytrium系統群に属していたが,RT0100株はもう一方のLabyrinthula系統群に属することがわかった。 まとめ:これまでの生活史を通じた形態観察では,特に系統関係と一致し,分類形質として適当な特徴を特定するには至らなかった。しかしながら,ラビリンチュラ類の多様な株の確立に成功し,基礎的な観察結果を得たことは,今後の体系作りの礎となると考えている。
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