Project/Area Number |
12750006
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Applied materials science/Crystal engineering
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐崎 元 東北大学, 金属材料研究所, 講師 (60261509)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | タンパク質 / 結晶 / 磁場 / 高圧力 / 濃度場 / リゾチーム / 結晶成長 / 対流 / 光干渉法 |
Research Abstract |
1)ラウエ・トポグラフ法によるタンパク質単結晶の品質評価 高輝度光科学研究センターのビームラインBL28B2において、タンパク質単結晶を白色X線トポグラフ観察することにより、結晶の品質を評価できるかどうか試みた。その結果、(1)結晶中の「格子欠陥の分布」を観察するには、タンパク質結晶の品質が悪すぎて困難であることがわかった。また、(2)トポグラフ像のエッジの広がりからタンパク質結晶の「モザイシティ」を評価するには、データの誤差が大きすぎて困難であることがわかった。しかしながら、3)トポグラフ像と結晶の外形を比較することにより、タンパク質結晶にかかっている「歪み」は本手法でうまく評価できることがわかった。 (2)タンパク質単結晶の品質に及ぼす不純物の影響 生化学工業(株)製の6回再結晶リゾチーム標品(純度99%)を用いて、沈殿剤濃度を一定とし、タンパク質濃度を種々に変えて結晶化を行った。得られた結晶の回折データをリガク製R-AXIS-IVを用いて収集したところ、過飽和度(C/Ce ; C : リゾチーム濃度、Ce : 溶解度)がより小さい方が結晶の品質が悪いことがわかった。99.99%に生成したリゾチームを用いると過飽和度がより小さな方が結晶の品質が向上すること、および低過飽和度で育成した結晶中には成長セクターバウンダリーが観察されたことより、99%のタンパク質試料を用いても、過飽和度が低下すると不純物が結晶表面に付着し、結晶の品質が低下することがわかった。 3)タンパク質単結晶の品質に及ぼす強磁場の影響 強磁場下で結晶の品質が向上する理由の一つとして、磁場によってタンパク質分子の三次元構造が変化した可能性が挙げられる。そこで、本可能性を検証するために、強磁場下で使用可能な分光光度計を自作し、これまでに磁場によって活性が変化するとの報告があるGlu脱水素酵素、およびその類自体であるAla、 Phe、 L-Pro、リンゴ酸、アルコール、スレオニン、ペルオキシダーゼの各脱水素酵素について、強磁場中で酵素活性をその場測定した。その結果、全ての酵素タンパク質について活性に磁場効果は見られなかった。このことより、強磁場は溶液中のタンパク質の三次元構造には変化を及ぼさないことがわかった。 4)タンパク質の結晶化に及ぼす高圧力の影響 これまでに、グルコース・イソメラーゼの結晶化が、高圧力下(2000気圧)では顕著に促進されることが報告されていた。そこで、その原因が溶解度および核形成・成長カイネティクスのどちらにあるのか明らかにするために、1000気圧の高圧力下で光干渉法を用いてグルコース・イソメラーゼの溶解度を測定した。その結果、1000気圧に加圧することで、溶解度が約1/10に減少することがわかった。したがって、加圧による結晶化の促進には、溶解度の減少に伴う過飽和度の増加が大きな役割を果たしていることが明らかになった。
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Report
(2 results)
Research Products
(15 results)