Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
透明なガラス板表面に透明電極を蒸着し,さらに(1)ポリイミドをコーティングして一方向にラビング処理したもの,(2)セチルトリメチルアンモニウムブロマイドをコーティングしたものを用意した.同種2枚のガラス板の間に,極微量のガラス製微小球を混ぜたネマチック液晶(ペンチルシアノビフェニル,5CB)をはさみ,下板を固定,上板をモータ駆動のマイクロメータヘッドで一方向に一定すべり速度を与える装置を試作した.5CBの膜厚,上板のすべり速度,極板問電圧をパラメータとして,5CBの分子配向に及ぼすそれらの影響を二色赤外分光法により調べた.ただし膜厚Dは4〜12μm,すべり速度UはO.1〜4000μm/s,印加電圧Vは0〜4Vの範囲で変化させた.5CBの分子配向は,すべり速度と膜厚の積(UD)という物理量で整理され,その値が小さいほど表面束縛の影響が大きく,大きいほど電場の影響が大きく現れることを明らかにした.一方,これらの実験系をモデル化して数値計算を行い,本実験結果と定性的かつ定量的に一致する結果を得た.分子配向に関する結果から,その配向状態における粘性率を計算し,潤滑剤として液晶を用いた摩擦係数のアクティブ制御という観点から,電気粘性効果の利用による摩擦係数のアクティブ制御が可能な条件を明らかにした.さらに外部からの電場を用いなくとも,液晶を潤滑剤として用いれば,摩擦面の表面束縛の準備のみによって,摩擦条件に応じて潤滑剤が自ら適切な粘性に調整するようなスマートシステムの構築が可能であることを見出した.また,このように長距離にわたって表面近傍の分子配向情報が伝わる液晶境界膜について,分子レベルのレオロジー挙動を調べるために,スクイーズ効果を利用した粘性評価システムを試作した.
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