Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2001: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Research Abstract |
マイクロ・ナノテクノロジーの分野では,表面カの効果が支配的となるため,ナノメートル厚さの潤滑剤を介した相対運動の特性への関心が高まっている.とくに磁気ディスク装置においては,潤滑膜の厚さは1ナノメートルまで薄膜化されており,ヘッドディスクインタフェースの信頼性を確保するため,動的な表面カの定量化が重要な課題となっている.本研究では,表面カの動的測定のための装置の開発および超薄膜を介した二表面の相互作用モデルを構築することを目的とした. 1.実験装置の構成 光学干渉面としてシリコン光学反射面付きのカンティレバーを導入し,従来と比較して変位については約5倍,傾きについては約9倍精度を向上させた. 2.画像処理方法の構築 シリコン光学反射面付のカンティレバーの導入により,新たに放物線回帰による最小二乗近似法を用いた干渉縞のピーク検出を可能にし,直線性の高い尾根線が得られた.これらの結果として変位・傾きともに測定精度を約1.3倍向上させた. 3.表面力の計測 PFPE系(FOMBLIN Z-DOL 2000)の潤滑剤を塗布した磁気ディスク表面を用いて,触針の垂直方向への分離実験を行った.分離過程のメカニズムとして有限分離モデルを導入し,数値計算により分離時の接触力と潤滑膜の伸びを求める方法を開発した.この方法により速度増加とともに接触力が微増し,膜の伸びも増大して,膜厚の100倍にも達する可能性があることを明らかにした. 4.分離現象の膜厚依存性 精密な分離モデルを構築するために,種々の厚さの潤滑膜を用いて実験を行い,膜厚が大きいと過渡振動の振幅が突然増大する現象を発見した.この現象は,潤滑膜による引力が液膜の伸びに従って滑らかに0になるモデルでは説明できないことを示し,0でない一定の引力が作用した状態から,瞬間的に開放されるモデルを用いて説明できることを示した.
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