Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
1.蒸発・凝縮を伴うテイラー・クエット問題の数値解析:よく知られたテイラー・クエット問題において,流体が蒸気であり,円筒表面において蒸発・凝縮を伴う場合の解析を行った.蒸気の場合の特徴は,申請者の前回の研究によれば,蒸気の希薄度が小さい場合,軸方向一様の単なるクエット流にも分岐が生じることである.今回は軸方向一様の仮定を取り除き,ボルツマン方程式に基づくDSMC法による数値解析によって,分岐した各々の流れの安定性を調べた.その結果,軸方向一様の流れは(蒸発・凝縮量が大きければ)安定に存在するが,この流れとは別に,渦を含む軸方向に非一様な流れも安定に存在し,同一の条件の下で複数の流れが安定に存在し得ることが示された.また,希薄度が大きく,軸方向一様流に分岐が無い場合にも渦型の流れは存在し,安定であった.この研究では,分岐が存在する状況設定の下で,精度が不十分な数値計算を行うと,虚偽の非定常・非周期的な流れが得られる様子も示された.このことから,カオス的流れのDSMC法による取扱いには非常な注意が必要だと考えられる. 2.分子流効果を用いたポンプの開発への応用:近年,分子流効果(熱遷移流)を利用した,非機械式ポンプが注目されている.このポンプの性能解析には,複雑な形の領域に在る気体の振舞を調べなければならない.上の解析で開発した計算方法の適用により,この非機械式ポンプの性能を調べた. 3.分子流効果を用いたポンプの試作:2と平行して,単純な構成のポンプを提案し,その動作原理を実験で示した.この成果を受けて,2の解析結果を用いた真空ポンプの試作を行い,ポンプの到達圧力や排気速度の測定に成功した.現在,これらの結果を利用して,実用的な真空ポンプの製作を進めている.
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