Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2001: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Research Abstract |
平成13年度は,非平衡プラズマ化学反応場のガス温度分布の計測から非平衡プラズマの熱構造解析を行い,主たる電力損失の原因であるジュール発熱を低減させるための能動的制御法を明らかにすることを目的に研究を行った.さらに,時・空間的に変化する大気圧非平衡プラズマの電子温度を計測する分光システムを開発した. 我々が開発したガス温度計測診断によれば,DBDにおける微細放電内部では,局所的な放電領域の集中により,平均ガス温度より100℃以上の高温に達していることがわかった.さらに,電力損失を低減しガス温度を抑制するには,数マイクロ秒のパルス電圧を印加することが有効であることを明らかにした.一方,空間均一性が高い大気圧グロー放電の場合,反応器の大部分においてガス温度は殆ど上昇しなかったが,陰極近傍のシース内部では,100℃を超える高温領域が存在することを明らかにした.この高温領域はパルス電圧を印加した場合でも殆ど抑制できなかった. He線スペクトルの相対強度比から,DBDおよびAPGのガス温度を計測した.DBDにおける平均電子温度は4-5eV, APGでは6-7eVとなった.電子温度はパルス電圧印加した場合でも殆ど変化しなかった.一般に,大気圧非平衡プラズマは反応制御性が低いことで知られるが,これは外部パラメータによって電子温度を制御することが難しいためであり,本研究成果はこのことを実験的に明らかにしたといえる. ここまでの結果から,プロセスの高効率化に適しているとされるパルス電圧方式は,ジュール損失を抑制する上では適した手法であるが,電子温度を増大させるには至っていないことがわかる.プロセスの更なる高効率化には,大気圧プラズマの更なる高度非平衡化が実現されねばならない.
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