ポリエチレンを絶縁材料として用いた直流用電力機器の適用に関する基礎的研究
Project/Area Number |
12750252
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
電力工学・電気機器工学
|
Research Institution | Ube National College of Technology |
Principal Investigator |
光本 真一 宇部工業高等専門学校, 電気工学科, 講師 (40321492)
|
Project Period (FY) |
2000 – 2001
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
|
Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
|
Keywords | 直流用電力ケーブル / 固体高分子 / 絶縁破壊 / 空間電荷 / アセトフェノン / ポリエチレン |
Research Abstract |
本研究は、直流用電力ケーブルにおける固体高分子電気絶縁への可能性を示唆するため、交流用電力ケーブル材料の一つであるポリエチレン系樹脂に注目し、高温および絶縁破壊直前における高電界電気物性を評価すると共にその中でも未知の部分が多く存在する絶縁破壊特性(絶縁破壊機構の解明を含める)を実験的に評価し、それらの結果から電力ケーブルにおける電気絶縁設計に基本的指針を与え、機器の絶縁性能の向上を目的とする。また交流用電力ケーブルが直流用ケーブルにそのまま移行できればコスト面においても有益であり、本研究は高温環境下における直流用電力ケーブルの絶縁設計上極めて重要な情報を提供でき得るものと考えられる。 本研究においては架橋剤分解残渣の一つであるアセトフェノンが、架橋ポリエチレンXLPEの高電界電気物性に与える影響を調べることを目的として、アセトフェノンを低密度ポリエチレン(LDPE)フィルムに塗布した試料を用い、交流電圧印加時におけるtanδ、交流絶縁破壊特性及びLDPE内に形成される空間電荷形成に与える影響について調査した。 その結果、高温、高電界領域におけるアセトフェノン塗布試料のtanδは電界の大きさとともに増加する傾向を示した。またアセトフェノンを塗布した試料における交流絶縁破壊の強さが大きく低下する結果が得られた。空間電荷測定結果より、アセトフェノン塗布試料の場合のみ正極性の空間電荷が形成された。 以上の結果から、アセトフェノン塗布側電極より注入された正極性の電子性キャリアの増加による導電損失の増大がtanδを増加させ、絶縁破壊の強さを低減させている可能性が考えられた。
|
Report
(2 results)
Research Products
(6 results)