Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
Si-ULSIにおいて,将来的に0.1μm世代のCu配線を実現するためには拡散バリヤには極薄でもCuの拡散を高温まで抑制し,かつそれ自身低抵抗な材料が切望されている。そこで本研究では,昨年度バリヤ自身の構造がバリヤ特性を向上させ得る要件となるとの知見を得たことを踏まえ,バリヤの構造と極薄化という観点で検討した。まず,合金バリヤの構成要素のZrNをナノクリスタル膜とすることで,20nmでも十分に高安定なコンタクトを実現した(Appl. Surf. Sci.印刷中)。一方,ナノクリスタルVN膜のバリヤ特性をSi及びSiO_2上で検討した結果,ナノVNバリヤは5nmまで極薄化しても均一な連続膜であり,熱処理後に構造変化することなく,700℃程度の高温まで系を安定に保持出来ることを実証した(2002年国際会議で発表予定)。このバリヤ膜厚で高安定な系が得られたのは,国内外を通して初めてのことである。更にこれらのバリヤは低抵抗で同じNaCl構造を持つことから,これらを置換型合金とすることで,合金化による抵抗率の増加を抑制しつつ,バリヤ自身の安定性を高めることを目的として検討を行った。VN及びZrNを合金化した結果,抵抗率が90μΩcm程度と合金バリヤとしては十分に低くすることができたが,組成によらずZrNが優先的に得られ,熱処理過程で置換型合金となることがわかった。一方,TiNとZrNを組み合わせたTiZrN合金膜は組成によらず置換型合金となり,その構造は十分にナノクリスタル状態の膜が得られ,バリヤの粒界を通して起こるCuの拡散を効果的に抑制できる優れたバリヤ特性を有することが明らかとなった。したがって,本研究結果からバリヤをナノクリスタル膜として作製することによってその結晶粒サイズと同程度までバリヤの膜厚を薄くすることが可能となり,更にこの膜が熱処理過程で構造変化しないことが優れたバリヤ特性を引き出す要件であること,加えて同じ結晶構造を有するこのようなバリヤ同士を合金化することで低抵抗でかつ高安定なバリヤを得ることが可能であることを実験的に実証し,極めて有用な結果が得られることを見出した。
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