Research Project
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
研究者らはこれまでに、デジタルプラズマプロセス(核形成と核の結晶成長を時間的に分離するプロセス)により、粒径のばらつきを抑えたナノ結晶シリコンを作製することに成功している。このナノ結晶シリコンを、単電子デバイスへ応用すること、ナノ結晶間の相互作用を利用した新材料開発へと繋げていくことを視野に入れ、ナノ結晶の粒径をさらに均一に制御すること、及び良質な絶縁膜を制御性よく形成することを研究の目的としていた。この目的の達成のためには、表面の酸化及び窒化の進行を精密にコントロールし、酸化反応及び窒化反応に自己停止機構が働く条件を精密に見いだし、良質な絶縁膜を形成すること、及びナノ結晶シリコンのさらなる粒径均一化を図るためにはどのような結晶条件が必要とされるのかを精密に求める必要があった。平成12年度においては、この条件を見いだすために必要な酸素及び窒素圧力、基板温度、反応時間などといった成長条件に関するデータをコンピュータに取り込み精密にモニタリングするシステムを整備した。平成13年度は整備された装置を用いて条件の割り出しを行う予定であったが、研究者が研究期間の半ばに退職したため科学研究費補助金による当該研究を廃止した。なお整備された装置は東京工業大学・量子効果エレクトロニクス研究センターでの関連研究に引き継がれている。