Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2001: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2000: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Research Abstract |
様々なゲート長(サブミクロンスケール〜数μm程度)を持つ極微細MOSFETに対して,1〜100kHz、の帯域で支配的な1/fノイズスペクトルを測定し,解析を行った.その結果,周波数が1〜10kHzの領域において,キャリアのShockley-Read-Hall発生/再結合プロセスに起因すると考えられる過剰ノイズスペクトルが観測された.この発生/再結合ノイズはゲート長およびドレイン電圧に依存せず,ゲート電圧が増加すると,1/fスペクトルの増加に伴い観測されなくなるので,詳しい特性はわかっていない.この1/fノイズおよび発生/再結合ノイズの特性に関する詳しい解析をモンテカルロデバイスシミュレータを用いて行なった. まず,1/fノイズの発生原因に関して,従来経験的な説明しかなされていないキャリア数の変動によるものかどうか,モンテカルロデバイスシミュレーションにより確認した.キャリア数の変動はSi/SiO_2界面における捕獲/放出によるので,Si/SiO_2界面に衝突するキャリア数のバイアス依存性を求めた.その結果,界面に衝突するキャリア数はドレイン電圧に依存せず,ゲート電圧の上昇とともに増加し,1/fノイズの測定結果と定性的に一致した.更に,モンテカルロシミュレーションにより,MOSFETのエネルギー分布関数およびShockley-Read-Hall発生/再結合の割合のバイアス依存性を求めた.その結果,ゲート電圧が上昇するとShockley-Read-Hall発生/再結合を起こす高いエネルギーを持つキャリアが大幅に増加するのに対し,Shockley-Read-Hall発生/再結合の割合はほとんど変化しないことがわかった.このことから発生/再結合ノイズはゲート電圧の増加とともに減少していることがわかった. また,MOSFETの1/fノイズスペクトルの測定・解析結果から回路シミュレーション用の1/fノイズモデルの開発を行なった.モデル化の際には当研究室で開発を進めている回路シミュレーション用MOSFETモデルHiSIM(Hiroshima university STARC IGFET Model)の電流モデル(ドリフト-拡散近似)を用いた.その結果,従来の1/fノイズモデルに比べて少ない3つのモデルパラメタで,ゲート長が0.12μmまでの1/fノイズの実測値をよく再現した.
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