Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
本研究では,文字画像と自然画像が混在した超高精細画像を対象とした高性能減色手法の検討と,色情報を段階的に伝送するスケーラブルな符号化方式の検討を行った.また,ディジタル画像データは複製が容易であるため,これを符号化伝送する際には著作権保護のための技術の導入が必須であると考え,電子透かし方式についても併せて検討を行った. まず,減色手法に関連して,平均値制限法によるディザ化画像の画質改善について検討を行った.平均値制限法は,輪郭強調と中間調表現を単一プロセスで行うことから,濃淡画像だけでなく,文字や線画を含む画像のディザ化に適しているが,中間調表現の画質は組織的ディザ法などに比べ不十分であった.従来の平均値制限法では,表示輝度を決定する際に,条件付輝度分布が一様分布に従うと仮定して閾値を求めていたが,本研究では,より実際の条件付輝度分布に近い確率分布モデルを使用することでディザ化画像の画質を改善できることを明らかにした. 次に,伝送の初期段階における文字判読性を考慮した段階的伝送方式の検討を行った.従来の段階的伝送方式では,伝送の最終段階にならなければ文字や輪郭部分などの精細な部分の判別が困難であるという問題があった.そこで本研究では,伝送の前段で輝度情報を原画像の解像度まで伝送し,後段で色彩に関する情報を伝送する方式を検討した.色空間の変換法,伝送順序および符号化法の検討を行い,色空間の変換法としては可逆YUV色空間をもとにした視覚特性考慮型可逆色空間を提案した.伝送法としては,輝度情報はウェーブレット変換を行い最低帯域から順に伝送し,色彩情報はビットプレーンごとに伝送を行う方式を提案した. 最後に,電子透かしに関する基礎検討として,隣接する複数のウェーブレット変換係数の大小関係をベクトルセットとして扱い透かしを埋め込むことで,画像の改ざんを検知する方法について検討を行った.
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