Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Research Abstract |
電子ビデオ会議など多数のユーザがネットワークを介して大容量の動画像データを送受信する分散マルチメディアシステムでは,各ユーザからマルチキャスト配信される動画像データストリームがネットワークの各所で交錯し,ネットワーク帯域の競合をひき起こす場合が多い,研究代表者の所属する研究グループでは,従来より,あるユーザがある階層化動画像マルチキャストストリームに対し高い要求再生品質を持つにもかかわらず十分な空き帯域がない場合も,要求再生品質が低いユーザの帯域を減少させてその要求を満足することでユーザ満足度を全体として増加させるような動的な帯域配分を行う基本アルゴリズムを提案してきている.研究代表者は,その帯域配分アルゴリズムを実装した分散マルチメディアシステム向けのミドルウェアの実現を目指して研究を行ってきた. 昨年度までにミドルウェアの試作と簡単な実装実験を行っているため,今年度はユーザインタフェース及びアプリケーションインタフェースの設計と実装,及び実アプリケーションを想定したミドルウェアの性能評価を中心に行った.アプリケーションインタフェースではアプリケーションから容易に階層化動画像の受信層数を調整可能な関数を実装し,ユーザインタフェースでは品質要求を直感的に指定可能なGUIを用意し,それらをアプリケーションに組み込み可能なライブラリとして実現した.それをこれまでに作成した帯域制御ミドルウェアに統合し,十数台のPCルータからなるIPマルチキャスト環境上で,各ユーザがビデオ会議システムを想定した品質要求を指定したもとでの動画配信の実験を行った.その結果,品質要求に基づく制御を行わない場合と比較し十分高いユーザ満足度が得られた.また意図的なクロストラヒックにより発生させたネットワーク輻輳も数秒以下で回避でき,実用的に十分な反応性を有することを示した.以上の結果より,本研究で設計・実装したミドルウェアの性能が会議システムなどの実アプリケーションで十分有用であることが示された.
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