Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2001: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Research Abstract |
本年度は主に,二次割り当て問題を解くHop fieldタイプのニューラルネットワーク(NN)の提案とその求解能力の解析を行なった.各ニューロンにはカオス写像の軌道を入力し,局所解からの脱出を図るとともに,大域最適解の候補を探索するエンジンとして利用した. まず問題を記述し,通常のHop field NNとの比較を行ない,カオスの有用性を見出した.次いで,どのようなカオスがこの問題を解くために有効であるのかを数値的に解析した.その結果,3周期窓付近のインターミッテンシー的カオスが性能がよいことが分かった. 次に,確率過程のノイズとカオスノイズとの性能比較を行なった.具体的には,ギルバートモデルによりバーストノイズを生成し,それをNNに注入した場合と,純カオスノイズのみで駆動するNNとの解探索能力の比較を行った。計算機シミュレーションによってバーストノイズがカオスノイズに近い高い性能を示した。このことから,バースト部とラミナー部の存在が,ホップフィールドニューラルネットワークにカオスノイズを注入する効果の要因のひとつになっていることが明らかになった 以上の結果をまとめ,雑誌等に投稿する予定である. また,研究の過程において偶然携わることになったBVP発振器において,その簡単な結合系に特異な非線形現象を見出した.つまり,リズムの異なる二つのBVP発振器を結合した場合,これまでにない特徴を有したカオスが発生する.また,等しい時定数をもつBVP発振器同士を線形素子で結合した場合は,さまざまな分岐が退化し,カオスなどの現象はむしろ発生しにくいことが分かった.結合方式とそれに応じて発生する分岐現象を詳細に解析した.
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