Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Research Abstract |
前年度までの,超電導試料の周波数特性の評価や,微小交流磁場を印加した場合の電子の平均自由行程の検討,焼結時間や冷間静水圧成形の回数など製作条件が異なる複数の試料評価になどに引き続き,微小交流磁場を直流強磁場と重畳させた場合における測定法について研究をおこなった。 液体窒素温度77.3Kにおいて超電導に転移している円柱状のBi系2223試料の抵抗率および磁場侵入長の印加磁場依存性について基礎的な評価をおこなうために,SRPM法の適用を試みた。磁束密度0〜60mTの範囲で直流磁界を印加し,抵抗率と磁場侵入長の同時評価をおこなったところ,磁界強度に従って抵抗率は高く,磁場侵入長は増長する傾向を確認した。磁束密度60mTにおいて,抵抗率は約6×10^<-10>Ωm,磁場侵入長の値は約0.3mmであり,試料表面付近に直流磁界が侵入したことによる,常電導電流の分布する領域の広がりが示唆された。この印加磁場の強度においては,抵抗率の上昇と磁場侵入長の増大は,ともに磁界が強くなるほど鈍化する傾向が見られた。特異な抵抗率および磁場侵入長に収束することは考えがたいため,さらにNb-Ti線の超電導マグネットを製作し,1.8Tの強磁界を加えた場合の試料特性についても検討をおこなった。超電導マグネットの使用により,印加磁場強度は30倍に増大させることができたが,Nb-Ti線の冷却に伴い,試料も液体ヘリウム温度4.2Kに冷却された結果,約105Kである試料の臨界温度からのマージンが大きくなり,磁界強度に対応した抵抗率と磁場侵入長の変化は萎縮した。今後は,試料温度を液体窒素温度付近に保ったまま,ITを超える強磁場を印加可能な評価法へ,改善していく必要がある。 本研究により,直流4端子法などの従来法では評価が難しい,磁場印加時における酸化物超電導体の微小抵抗の発生について,基礎的な見知が得られた。
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