Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2001: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Research Abstract |
本研究は,中性化-塩害の複合劣化進行予測手法構築のための基礎的段階として,複合劣化現象に重要な役割を果たすと考えられるモノサルフェートおよびフリーデル氏塩に関して以下の検討を行った. (1)モノサルフェート生成モデルの構築 (2)試薬による合成モノサルフェートを用いた塩分固定量の検討と固定モデルの構築 (3)合成モノサルフェートおよびフリーデル氏塩のCO_2による炭酸化量の検討と炭酸化モデルの構築 その結果,以下の成果が得られた. (1)既往の水和モデルを参考にし,各種パラメータを実験から求めることにより,モノサルフェートの生成モデルを構築できた.また,実験結果との比較によりその有効性が確認された. (2)モノサルフェートの塩分固定化量は塩化物イオン濃度に依存し,その最大値はモノサルフェート1molあたり5molであることが明らかとなった.また,固定化速度は速く,瞬時に平衡状態に達すると仮定しても差支えないことが確認できた. (3)モノサルフェートおよびフリーデル氏塩の炭酸化率は,溶液のpHのみに依存することが明らかとなり,pHの関数としてモデルを構築できた. さらに,混和材の使用が複合劣化に及ぼす影響について検討した.その結果,結合材として普通ポルトランドセメントのみを用いた場合には,炭酸化による細孔構造の緻密化により必ずしも中性化が塩分浸透の促進に結びつかないのに対して,混和材を用いた場合には中性化によって塩分浸透が促進されることが明らかとなった.その原因として,炭酸化による多孔化が示唆され,特に高炉スラグ微粉末を用いた場合にその影響が顕著であることがわかった.
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