細孔構造特性に着目した粗骨材の品質とコンクリートの耐凍害性に関する研究
Project/Area Number |
12750424
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
土木材料・力学一般
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Research Institution | Hachinohe Institute of Technology |
Principal Investigator |
阿波 稔 八戸工業大学, 工学部, 講師 (10295959)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2001: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2000: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | コンクリート / 凍害 / 凍結融解抵抗性 / スケーリング抵抗性 / 粗骨剤 / 細孔構造 / 凍結防止剤 / 粗骨材 |
Research Abstract |
東北地方におけるコンクリート構造物は、その気候的な条件により、ひび割れの発生、スケーリングやポップアウトに代表されるような寒冷地特有の凍害劣化を受けやすい環境にある。コンクリートの凍害を考える場合、コンクリートを構成するセメント、骨材、混和材料などの個々の材料品質と、セメントマトリックス中に骨材が分散した状態、すなわち複合材料として捉えることが重要である。特に、その中でコンクリート中に7割を占める骨材の影響は大きいと考えられる。しかし、近年、良質骨材の枯渇化や採取規制などの制約が年々厳しさを増しており、地域によっては良質骨材の入手が非常に困難な状況になってきている。そこで本研究課題は、コンクリートの耐凍害性と粗骨材品質特性との関連を明らかにするとともに、凍害危険性を判断するための骨材品質の指標値を再検討することを目的としたものである。本年度は、(1)コンクリートの凍害危険性を判断するための骨材品質の指標値の検討、(2)低品質粗骨材を用いたコンクリートの耐凍害性改善法の検討、(3)産業副産物をソースとした骨材を用いたコンクリートの耐凍害性の評価、について実施した。得られた結果の概要を以下に述べる。 1.密度と吸水率をそれぞれ独立変数に定め重回帰分析により耐久性指数(DF)を推定した。この二つの値から求めた推定値はコンクリートの耐凍害性を予測する指標として有効であることを確認した。また、この指標値で用いられる密度と吸水率は測定方法が簡便であり実用的であると考えられる。 2.粗骨材の全細孔容積と中央細孔径の逆数をそれぞれ独立変数に定め重回帰分析により耐久性指数(DF)を推定した。その結果、細孔構造特性から予測したコンクリートの耐久性指数(DF)は、密度と吸水率の場合よりもさらによい対応関係を示すことを明らかにした。 3.極めて低品質な骨材を使用したコンクリートの場合、良質骨材との混合や骨材の最大寸法などの配合による改善方法では十分な耐凍害性を確保することは困難であることが分かった。さらに、混和材料や多種類の改善法の組み合わせなどの検討が必要である。 4.JISA5011に統合規格化されているスラグ細骨材を用いた粉体系高流動コンクリートの空気連行特性は、その種類により大きく異なることが分かった。しかし、それらの特性を十分理解し適切な空気泡を連行させることにより各スラグの種類および混合率を変化させても十分な耐凍害性が得られることを明らかにした。
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)