Project/Area Number |
12750594
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Inorganic materials/Physical properties
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松田 弘文 東大, 工学(系)研究科(研究院), 助手 (00282690)
|
Project Period (FY) |
2000 – 2001
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
|
Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
|
Keywords | BaTiO_3ゲルホスト / Eu^<3+>イオン / 発光スペクトル / 発光寿命 / 屈折率キャビティ / 立ち上がり時間 / Er^<3+>イオン / アップコンバージョン発光 |
Research Abstract |
この研究では、BaTiO_3ゲルの組成・合成条件の変化によるゲル体の構造変化およびEu添加濃度の変化がそれぞれ発光特性に及ぼす影響を評価することを目的とした。Ba、Ti前駆体溶液にEuCl_3を調合し低温で精製水を添加し加水分解を行った。30-90℃で数日間エージングを行った後、酸素気流中90℃もしくは室温にて真空引きし乾燥をゲルを、酸素気流中で焼成し焼成体を得た。発光特性測定はNd:YAGレーザー駆動OPO(可視光)および3倍高調波(紫外光)を励起光とし室温-5Kの温度範囲で行った。 1.Eu^<3+>イオンからの励起光(可視)強度に対する発光効率が、エージング温度の変化により著しく変化し、BaTiO_3ホストの結晶化初期段階で最大の発光効率を示した。主な原因として、BaTiO_3の結晶化進行によりEu^<3+>からEu^<2+>へ変換していることが、紫外光励起の発光スペクトル形状変化から見出された。 2.Eu^<3+>イオンの^5D_0準位の発光寿命τは0.5ms程度と比較的短いことが明らかとなった。通常ゾルゲル法合成では多量のOH基が残留し、多フォノン緩和による非輻射遷移速度の増大によって希土類発光元素は失活しτは短くなる。ところが発光寿命には多フォノン緩和を示す明確な温度依存性が見られず、残留OH基の脱離温度700℃以上で焼成を行ってもτの増大は見られなかった。これより、τは輻射遷移速度で支配されエージングや焼成による結晶化の進行とともに増大する屈折率の影響を受けて短い値となったことが明らかとなった。BaTiO_3ホストゲルのBa/Ti比をBaTiO_3(Ba/Ti=1.0)からTiO_2(Ba/Ti=0.0)と変化させたところ、屈折率の低下を反映してBa_<0.5>TiO_3の組成では透過率の高いゲルが得られ、τ=1.0ms程度の最大値が得られた。このことからτへの屈折率の影響が検証された。 3.Euの添加濃度10.0at.%まではτの値に大きな変化は無く、また発光強度も添加濃度に比例して増大していることが見出され、少なくとも10.0at.%までは顕著な濃度消光は生じていないことが明らかとなった。一方1.0at.%程度の低濃度の添加でも、Eu^<3+>イオン間でエネルギーのやり取りを示すことが、τを求めた発光の減衰曲線の立ち上がり時間から見出された。
|
Report
(1 results)
Research Products
(6 results)