Project/Area Number |
12750672
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
反応・分離工学
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
原野 安土 群馬大学, 工学部, 講師 (90238204)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | EDB / 浮遊 / ラマン分光 / 微粒子保持 / 脱硫 / 二酸化硫黄 / 静電場 / 液内反応 / Electrodynamic Balance |
Research Abstract |
本研究はEDB(Electrostatic Dynamic Balance)によりエアロゾルを空中浮遊させ、大気中で起こる酸性化学種(SO_2)とエアロゾルの吸収・反応(酸化)過程を追跡するを目的とした。EDB装置は印加直流電圧より微小粒子の重量変化を、ズームレンズ付CCDカメラにより粒子の形態変化、ラマン分光から粒子の組成分析をin situに観測することができる。初年度はEDB+ラマン分光装置の作製を主眼に実験を行い、大気環境で重要なカルシウム系粒子(CaCO_3、Ca(OH)_2、CaSO_4)とナトリウム系粒子(Na_2CO_3、Na_2SO_3、Na_2SO_4)の単一微粒子(それぞれ直径100〜20μm)を捕捉し、粒子固有のラマン散乱スペクトルを得た。 本年度は反応実験を中心に行い、反応系としては海塩粒子の代表であるNa_2CO_3粒子とSO_2との反応を取り上げた。Na_2CO_3粒子とSO_2の反応では湿度が重要なパラメーターとなるので、Na_2CO_3粒子を高湿度化に置いたときの重量、形態、ラマン散乱の各変化を追跡した。Na_2CO_3は10水和物が安定であるが、実験での重量変化からは湿度と一次粒子の凝集状況によって最終的な含水量が決まった。相対湿度80%以上では、吸着した水分により粒子が潮解し球形になることがCCDカメラで観測された。また水の吸着が起こるとラマンスペクトルはCO_3の固体振動から水溶液中でのCO_3^<2->イオンの振動へと変化した。湿気を帯びたNa_2CO_3粒子にSO_2を導入すると、従来の研究ではNa_2SO_3が生成すると考えられていたが、本研究ではNa_2S_2O_5の強いラマンスペクトルが観測され、Na_2SO_3は観測されなかった。さらに生成Na_2S_2O_5粒子に高湿度下にさらすとNa_2SO_3を生成した。以上の結果よりNa_2CO_3とSO_2の反応において低湿度ではNa_2S_2O_5が、高湿度ではNa_2SO_3が生成することがわかった。今後は更なる反応機構の解明を目的に実験を進めていきたい。 本補助金により大気エアロゾル反応機構解明のためのEDBとラマン分光を組み合わせた装置を作製することができた。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)