スピネル型構造を有するリチウムインサーション酸化物材料の電子状態に関する研究
Project/Area Number |
12750730
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
工業物理化学
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
内本 喜晴 (内本 善晴) 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (50193909)
|
Project Period (FY) |
2000 – 2001
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
|
Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2001: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
|
Keywords | リチウム電池 / スピネル / リチウムインサーション / 電子状態 / 酸化物 |
Research Abstract |
5V級の正極活物質として注目されているLiCr_yMn<2-y>O_4およびLiNi_yMn_<2-y>O_4について、リチウムイオンのデインターカレーションに伴う電子構造の変化をX線吸収微細構造によって明らかにした。LiCr_<0.5>Mn_<1.5>O_4においてLiの量を電気化学的手法により変えた試料についてMnおよびCrのL殻XANES測定、酸素K殻XANES測定を行った。Mn-L殻XANES測定より、3価のMnのピークは電位が上昇するにつれ減少するが、4.7V以上の試料では変化を示さない。従って4.1V付近の第一段目の平坦部はリチウムの挿入脱離に際しMnの3価/4価間の酸化還元反応が起こっており、4.9V付近の2段目の平坦部において、Mnは電極反応に関与していないことが明らかとなった。Cr-L殻XANES測定の結果、4.8V以上で反応に関与しているのはCrであり、3価のCrがさらに4価になっていることが確認された。一方、Niをドープした場合には、酸素K殻XANES測定を行った結果、最もエネルギーの低いMn 3d, Ni 3dと混成したバンドに対応する527eV付近のピークが4.8V以上で低エネルギー側にシフトし、正孔がさらに酸素2p軌道に導入されたことを意味している。つまり、電荷補償は正孔が主に酸素のpバンドに入ることによって行われていることが示唆された。3d遷移金属をドープした5V級正極活物質において、NiとCrをドープした系で正孔の挙動が異なるのは、NiがCrに比べ核電荷が多く、d軌道エネルギーが低下し、P軌道と最高占有d軌道が逆転するためと考えられる。
|
Report
(2 results)
Research Products
(2 results)