Fischer型カルベンルテニウム錯体の触媒機能に関する研究
Project/Area Number |
12750770
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Synthetic chemistry
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
片山 博之 大阪市立大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50315975)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | Fischer型カルベン錯体 / オレフィンメタセシス / カルコゲン元素 / 開環メタセシス重合 / マクロ開始剤 / ブロック共重合体 / 開環クロスメタセシス / 環状オレフィン / ビニルカルコゲニド / 16族元素 |
Research Abstract |
昨年度の当核研究において、一連の16元素をもつFischer型カルベンルテニウム錯体RuCl_2(=CHER)-(PCy_3)_2(E=O, S, Se, Te ; R=アルキル基,アリール基)が鍵活性種として働く高選択的オレフィンメタセシス反応を見出した.今年度は、その反応制御原理を深く理解することを目的に、上記の錯体をそれぞれ合成・単離し、構造および反応性について詳しく調べた.まず、ベンジリデン錯体RuCl_2(=CHPh)(PCy_3)_2とビニルカルコゲニドH_2C=CHEPhによるFischer型カルベン錯体生成反応を比較検討したところ、カルコゲン元素の周期順(O<S<Se<Te)にその速度が向上することが分かった。また、同じ順序でFischer型カルベン錯体のメタセシス活性が向上すること、ならびにその差異が主にホスフィン配位子の解離能に依存していることを併せて見出した.これらの結果は、触媒反応における錯体(活性種)の挙動を理解する上で重要な知見となった.カルコゲン元素の影響については依然不透明な部分が残されており、引き続き群細な検討が必要である。 さらに今年度は、昨年度に見出した触媒反応を機能性高分子の合成へ応用した.環状オレフィンの開環メタセシス重合を種々のビニルカルコゲニドの存在下で行ったところ、それらが優れた連鎖移動剤として働き、両末端が高選択的に官能基化されたポリマーが得られることが分かった.また、重合開始基をもつ連鎖移動剤を適用して末端反応性マクロ開始剤を合成するとともに、それらを用いたAB型ブロック共重合体の精密合成に成功した.以上の成果は、異なる重合機構を組み合わせて共重合体を合成する新しい方法論を提示しており、今後益々重要となる新規高分子材料の開発研究にとって有用な指針を与えるであろう.
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)