両親媒性高分子電解質とノニオン性界面活性剤から成るコアセルベートに関する研究
Project/Area Number |
12750800
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
高分子構造・物性(含繊維)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
橋爪 章仁 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (70294147)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2001: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | 両親媒性高分子電解質 / ノニオン性界面活性剤 / コアセルベート / コアセルベーション / 動的光散乱 / 無輻射エネルギー移動 / レオロジー / ネットワーク構造 / プローブカロリメーター / NaCl濃度 / AMPS / N-ドデシルメタクリルアミド |
Research Abstract |
昨年度、明らかにした2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸ナトリウム/N-ドデシルメタクリルアミド共重合体(polyy(A/Dx)、ここでxはドデシル含量)とドデシルヘキサ(エチレングリコール)モノエーテル(C_12E_6)とのコアセルベーションに関する相図をもとに、本年度は動的光散乱、蛍光無輻射エネルギー移動、レオロジー測定をもちいて、コアセルベーションの機構とコアセルベートの構造について調べた。 動的光散乱によって、poly(A/D50)とC_12E_6との可溶性コンプレックスの流体力学的半径(R_h)を調べた結果、コアセルベーションが起こるまで、コンプレックスのR_hは徐々に大きくなり、あるところでコアセルベーションが起こると大きなR_hを有するピークの出現が観察された。また、.無輻射エネルギー移動実験から、コンパクトな高次構造を有するpoly(A/D50)がC_12E_6の添加によってポリマー鎖はアンフォールドし、さらにC_12E_6を適当量加えたときにpoly(A/D50)の分子間会合性がもっとも強くなることも明らかとなった。以上の結果から、コアセルベーションの機構を次のように推定した。コンパクトに折りたたまれたpoly(A/Dx)にC_12E_6を加えると、ポリマー鎖はアンフォールドして可溶性コンプレックスを形成する。充分に高い塩濃度のとき、可溶性コンプレックス間の静電反発が抑制され、また、疎水性相互作用が強められるため、可溶性コンプレックス間の会合が進行し、コンプレックスのサイズは徐々に大きくなる。ある臨界点に到達するとサイズが大きくなったコンプレックスはもはや溶けていられなくなり、コアセルベーションが起こる。 いくつかの条件において調製したコアセルベートのレオロジー測定から、いずれのコアセルベートもかなり遅い緩和モードを有することが明らかとなった。貯蔵弾性率(G')と損失弾性率(G")の大きさはコアセルベートの調製条件に依存し、C_12E_6濃度に対するポリマー濃度の比が大きいほど、高いG'とG"を示した。これらの結果から、コアセルベートはなんらかのネットワーク構造を有し、そのレオロジー的性質は調製条件に依存することが分かった。
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)